「行方不明の妹」のせいで裁判沙汰に…

「共有物分割請求訴訟」とは、土地や建物など共有名義の財産の分割を、裁判所の判断に委ねる法的手段です。

この場合、裁判所が、資産の「現物分割」「代償分割」「換価分割(競売等)」の判断を下すことになります。

今回のケースのように、共同名義人の中に不在者がいる場合、裁判所が不在者管理人を一定の期間(1〜3ヶ月ほど)かけて選任し、裁判所の売買許可の申立てを経て、売却手続きを進めることが可能になります。

ちなみに、健一さんが共有物分割請求訴訟のために払った金額は、知人の弁護士への依頼費用50万円に加えて、不動産鑑定費や裁判費など、あわせて100万円ほどでした。

度重なる多額の出費に、健一さんはまたしても頭を抱えることになりました。

ただ、もう健一さんは目先の出費は仕方がないと諦めていました。

「何とかして実家を手放したい」

結局、健一さんのその願いが叶ったのは、父の死去から3年6ヶ月が過ぎた頃でした。

自分の主張を貫けなかったばかりに、高額な固定資産税の支払いや、実家の管理に追われただけでなく、裁判まで経験することになってしまった健一さん。

「もっと自分の意見を主張すれば良かった」「いい人すぎたばかりに、無駄な費用を払うことになった」と、いまでも激しい自責の念に駆られているようです。

 

※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。