「死後離婚」に心が傾き始めた理由
今のままでいいのかと考え始めたのは、3カ月ほど前、実家の母が転倒して腰の手術を受けたことがきっかけです。高齢者の転倒は下手をすると寝たきりにつながると言われますが、不幸中の幸いで、母はリハビリをすれば日常生活に戻れるようです。
とはいえ、私の両親も既に70代後半に差し掛かっていて、この先、どんなことがあるか分かりません。私には弟がいますが、弟は大学からずっと関西なので、いざという時は私が両親の面倒も見なければなりません。
少し前、気の置けない友人に義両親のことを話したら、「玲子は死後離婚って知ってる? 役所に『姻族関係終了届』というのを出せば、配偶者の血族とも法的な親族ではなくなるんだよ」と死後離婚の話を持ち出されました。要は、私に義両親の扶養義務がなくなるということです。
びっくりしたのは、その時、自分が「あぁ、それで楽になれるんだ」と思ったことでした。
人として、夫が大切にしてきた義両親を今後も守り続けたい気持ちは当然あります。しかし、現在、そして未来の私にそれだけの覚悟や経済力があるかと言えば、それはまた別の話です。
先ほどの友人はもともとパートナーのご両親と折り合いが悪く、「夫が死んだら、即、死後離婚する!」と宣言していました。なら自分はどうかと言うと、私の心の天秤も徐々に死後離婚の方に傾き始めている感じがします。
間もなく訪れる一周忌は、区切りを付けるのにちょうどいいタイミングかもしれません。
これが最後か、最後から2番目になるかもしれない。今月の給料日の夜は、そんなことを考えながら、義両親への送金のボタンを押したのでした。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
