なつみが仕事から自宅マンションに帰宅すると、味噌汁のいい匂いがした。玄関にはすでに革靴があり、なつみがその横に並ぶように靴を脱いで家に上がるとリビングから夫の慎吾がひょっこりと顔を出した。

「おかえり。ご飯できてるから手、洗ってきて」

「うん、分かった」

なつみは頬を緩ませながら答え、洗面台に向かった。

年下婚約者との新生活

慎吾とは同じ会社に勤めており、なつみは営業事務課で慎吾は営業課に所属していた。今日は月末処理があり、なつみはいつもよりも1時間残業し、先に帰っていた慎吾が料理をしてくれていた。

洗面台には2本の歯ブラシが並んで置かれている。3カ月前に慎吾からプロポーズをされて、先月からこのマンションで一緒に住むようになった。今まで親以外の誰かと暮らしたことがないなつみからすると、今の生活はとても新鮮で幸せなものだった。

年齢はなつみのほうが4つ上の33歳だ。慎吾は中途でうちにやってきて同じ営業部にいるということでよく話す間柄だった。やがて慎吾に告白されて付き合うようになり、交際から1年で婚約をした。初めての2人暮らしで慣れないところはあるが、それでも幸せな時間を過ごせている。