資産効率を高めるタイプ:攻めの金

2つ目は、株式と金の双方に積極的に投資を行い、運用効率の向上を狙うタイプだ。

「ゴルプラ」の愛称で知られるアモーヴァ・アセットマネジメントの「Tracers ゴールドプラス」シリーズがこのタイプに該当する。

同シリーズには、S&P500とNASDAQ100のほか、今年3月にはMSCIオール・カントリー版も新たに設定された。これらのファンドは、株式指数に100%投資しながら、同時に金にも100%投資する設計となっている。デリバティブを活用し、元本に対して2倍相当の投資効果を目指す仕組みだ。

ここで、一般的な分散投資と比べてみよう。

先述の「守りの金」として紹介した一般的なバランス型は、資産全体を100%とした枠の中で配分を調整する設計となっている。例えば株式60%・他資産40%といったように、合計が100%になるよう組み合わせる。いわば「足し算で100をつくる世界」だ。一方、このタイプは、「株式のリターン源泉はそのままに、金の値動きも同時に取り込む」という発想に立っている。より具体的には、株式と金の両方に投資しながら、先物などを活用し、元本に対して2倍相当の投資効果を生み出す仕組みだ。つまり、「100+100=200」の世界である。

株式の「パワー」を弱めずに、金の値動きも加える設計は、理論上は効率的に映る。特に、株式と金が同時に上昇する局面では、その効果は大きい。ただし、両資産が同時に下落すれば、値動きの振れ幅も大きくなる。「バランス型」という名称から安定性を想像して選ぶと、その変動の大きさに戸惑う可能性がある。このタイプは、リスクを抑える商品というよりも、リスクを受け入れたうえで効率を追求する商品と理解する方が実態に近い。

なお、「Tracers ゴールドプラス」シリーズは、先物を活用していることから、新NISAの対象外となっている。制度の枠組みも含めて、自身の投資方針と照らし合わせたい。