2024年にブームだったインド株、2025年に急騰した金(ゴールド)を「もうやめたい」人へ
「やめ時」が気になりやすい資産の代表例が、インド株を含む新興国株式だ。2024年まで好調だった反動もあり、2025年に入って値動きが冴えなくなると、「もうやめたほうが良いのではないか」と感じる人が増えた。
価格が下がった局面で不安になるのは、ある意味で当然と言える。しかし、長期投資において重要なのは、「売却すべきかどうか」を即座に考えることではない。まずは、「なぜ下がったのか」を振り返ることが大切だ。新興国株式の場合、短期的な調整は珍しくない。成長期待が高い分、資金流入が集中しやすく、逆にリスクオフ局面では資金が引き揚げられやすい。こうした動きは、必ずしも成長ストーリーそのものが否定されたことを意味しない。
加えて、新興国株式には市場特有のクセがある。たとえば、ドルの信認が揺らぐ局面では、相対的に成長余地のある新興国に資金が流入しやすいという側面がある一方、短期的な金融環境の変化によっては、その逆の動きが強まることもある。価格変動の背景を確認せずに結論を急ぐと、本来想定していた時間軸を見失いかねない。
この点は、直近で金や銀などの貴金属価格が短期間のうちに大きく下落した動きとも重なる。金や銀は長期的には価値の保存手段として位置づけられる資産だが、短期的には金利動向やドルの動き、投機的な資金の出入りによって大きく価格が振れる。今回の下落も、資産としての役割が否定されたというより、短期的な需給や市場心理が強く反映された結果と見るほうが自然だろう。
新興国株式も貴金属も、そもそも10年単位の時間軸を前提に組み入れる資産である。であれば、途中の調整局面で問うべきは「もうやめるべきか」ではなく、「当初想定した前提は変わったのかどうか」ではないだろうか。
