「NISAの積立はいつまで続けるべきですか?」

最近、この質問を受ける機会が増えている。新NISAも3年目に突入し、投信積立を始めること自体は特別な行動ではなくなった一方で、続け方や「やめ時」について迷う人が増えていることの裏返しでもある。

背景には、足元の市場環境の変化がある。米国株にはかつてのような盤石さが見られず、貴金属価格も高騰の反動で短期間のうちに大きく下落した。為替市場では米ドルの先行きに対する見方が揺らぎ、複合的な要因が重なることで、資産運用全体に対する不安が強まりやすい局面にある。こうした状況が続くと、「このまま続けて意味があるのか」、「一度やめたほうがいいのではないか」と考えたくなるのも無理はない。

結論から言えば、「やめ時」を考えるのは早すぎる。積立の場合は特に、少なくとも10年は続けてから考えればいいというのが、筆者からのアドバイスである。

なぜ「10年」続けてみるべきなのか

では、なぜ「10年」なのか。この数字に厳密な根拠があるわけではないが、資産運用の実感として、10年という時間は一つの節目になる。というのも、

・1~3年では、市場環境が主役になり、
・ 3~5年では、商品選びや資産配分が気になり始め、
・10年を超えると、運用は次第に「人生設計の一部」になっていく

と考えられるからだ。10年を超えると、金価格が一時的に不安定だったことや、米国株が冴えなかった年が「そのうちの1年」に過ぎなかったことに気づく。値動きは完全に気にならなくなるわけではないが、行動を左右するほどではなくなる。これは、筆者自身も実感している。