年収が高い=「NISA開設率が高い」ではない!?

NISAの活用にも県民性があるのか。今回は50代を対象に実態を探ってみよう。参考にするのは金融庁が2025年11月に公表した「NISA口座の利用状況調査」にある都道府県別・年齢別の口座開設状況。口座数だけ見ると人口密集地域が多くなりがちのため、総務省が公表している都道府県別・年齢別の総人口も併せて使用。人口当たりの開設率を計算して、NISA活用の県民性をよりクリアにした。

【50代】NISA口座開設率ランキング(47都道府県)1位~20位
1位   東京都 34.1%
2位   神奈川県 31.5%
3位   奈良県 31.1%
4位   兵庫県 30.7%
5位   徳島県 30.6%
6位   福岡県 30.3%
7位   滋賀県 29.7%
7位   香川県 29.7%
9位   福井県 29.3%
10位 大阪府 29.1%
11位 千葉県 28.9%
12位 鳥取県 28.8%
13位 熊本県 28.6%
14位 富山県 28.5%
15位 三重県 28.4%
16位 長崎県 28.2%
17位 京都府 27.8%
18位 岡山県 27.7%
19位 愛知県 27.3%
20位 山口県 27.1%

※一部の金融機関では基準日時点での都道府県別の口座数を集計できなかった等の要因により、金融庁「NISA口座の利用状況(NISA口座数)」(2025年6月末)と一致しない。
出所:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査(都道府県別のNISA口座開設状況/2025年6月末時点)」、人口推計(総務省発表、2024年10月時点)よりFinasee編集部作成

50代のNISA口座開設率ランキング。1位に輝いたのは東京都(34.1%)。2位は東京都に隣接する神奈川県(31.5%)だった。両県の共通点の1つに年収の高さがある。総務省が公表している2024年の家計調査(貯蓄・負債編、二人以上世帯)によれば、全国の県庁所在地および政令指定都市(52都市)のなかで、東京都区部の平均年収は867万円と全国で最も高い。神奈川県でも川崎市が765万円で全国3番目、横浜市が747万円で全国5番目の高さだった。NISAを使って資産運用するには、まず年収を上げたほうがいいのだろうか。

しかし、ちょっと待ってほしい。実は3位の奈良県(31.1%)の場合、奈良市の平均年収は639万円と全国25番目の水準。さらに4位の兵庫県に至っては、神戸市は588万円と全国43番目で、むしろ下から数えたほうが早い。5位の徳島県(30.6%)も事情は同じで、徳島市は598万円と全国40番目だった。

平均あるいは平均を下回る年収でもNISA開設率が高い地域はある。考えてみれば、NISA口座で対象となる投資信託は数千円から購入できるものもあり、金融機関によっては百円程度から購入が可能なケースも。年収が少なくてもNISAを活用して資産運用はできるのだ。

●前編「【60代】NISA県民ランキング 老後資金をNISAで運用する県、しない県、“運用格差”がくっきり!?」