金利の高止まりで米住宅市場に警戒感 着工件数130万戸まで減少
大和ハウス工業の株価の軟調は、米国の金利高への警戒があると考えられます。
米国は20年、コロナ禍で政策金利をゼロベースまで引き下げました。景気を支えるための政策でしたが、副作用として強いインフレが生じました。CPI(消費者物価指数)は22年に年率9%台を記録し、食料とエネルギーを除くコアコアCPIでも同6%台まで上昇します。この対応として、米国は利上げに転じました。政策金利は23年7月に5.25%~5.50%まで引き上げられます。
金利の上昇は一般にインフレを鎮静化させますが、住宅市場には逆風です。米住宅着工件数は、利上げを開始した22年以降で顕著に低迷しています。直近ピークの182.0万戸(22年4月)から、公表分で最新となる25年8月では130.7万戸まで減少しました(季節調整済み、年率換算)。
そして、米国は大和ハウス工業にとって日本に次ぐ主力市場です。M&Aを中心に事業を拡大し、米国の戸建て事業売上高は19年3月期の847億円から25年3月期の6000億円超まで成長しました。これは年率で38.6%増の急拡大であり、連結(同4.6%増)を大幅に上回ることから、近年の成長は米国が支えていることがわかります。したがって、米国の金利上昇は業績への下押しが懸念されるところです。
【地域別売上高(25年3月期)】
・日本:4兆5344億円
・米国:6880億円
・その他の地域:2125億円
出所:大和ハウス工業 有価証券報告書
【セグメント情報(25年3月期)】
米国は24年9月から利下げを開始し、政策金利は25年12月に3.50%~3.75%まで低下しました。しかし、米10年国債利回りは4%台で高止まりしていることから、市場は米国の利下げペースが緩やかと評価しているとみられます。25年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で公表された政策金利の見通しも、26年は3.4%、27年が3.1%となっており、当面は積極的な利下げは期待しづらい状況です。しばらくは米国の住宅市場は不透明な状況が続くと考えられます。

