あなたは政府に何を期待する? 要望ランキング
生活や生き方などについて全国2700世帯から回答を得た「国民生活に関する世論調査(速報)」(内閣府、2025年9月26日公表)では、政府に対する要望についても質問を行い、結果をまとめている。
ずばり、「あなたは、今後、政府はどのようなことに力を入れるべきだと思いますか」との直球を投げ掛けているのだが、それに対して人々はどのように回答したのだろうか。
■政府に対する要望
出所:「国民生活に関する世論調査(速報)」(内閣府)
■政府に対する要望ランキング
1位 物価対策 73.0%
2位 医療・年金などの社会保障の整備 64.5%
3位 景気対策 58.7%
4位 高齢社会対策 48.8%
5位 少子化対策 42.0%
6位 税制改革 39.6%
7位 防衛・安全保障 37.7%
8位 治安 35.4%
9位 外交・国際協力 34.9%
10位 雇用・労働問題への対応 31.2%
11位 防災 31.0%
12位 自然環境の保護・地球環境保全・公害対策 28.5%
13位 財政健全化の推進 24.4%
14位 資源・エネルギー対策 24.3%
15位 教育の振興・青少年の育成 22.8%
16位 行政改革 21.6%
17位 農林水産業対策 18.4%
18位 住宅・公共施設・公共交通機関の整備 17.6%
19位 地域の活性化 16.4%
20位 消費者問題への対応 16.1%
20位 中小企業対策 16.1%
22位 新技術の活用促進・新規産業の育成 15.8%
23位 科学技術の振興 14.4%
24位 交通安全対策 11.4%
25位 新型コロナウイルス感染症への対応 10.6%
26位 東日本大震災からの復興 10.3%
27位 東京電力福島第一原子力発電所事故への対応 9.9%
28位 地方分権の推進 9.6%
29位 自殺対策 8.2%
30位 文化・スポーツの振興 8.1%
出所:「国民生活に関する世論調査(速報)」(内閣府)よりFinasee編集部作成(上位30項目まで抜粋)
調査結果によれば、政府に対する要望ランキングの1位は「物価対策」で回答率は73.0%だった。コロナ禍の終息とともに2022年頃から本格化した物価上昇。2025年8月の消費者物価指数(総合指数)も前年同月比2.7%増で、2%を超える物価上昇は4年目に突入した。 長年デフレ脱却が国民の関心事だっただけに隔世の感がある。
次いで「医療・年金などの社会保障の整備」(64.5%)。2025年度予算の一般歳出に占める社会保障関係費の割合は約56%に達している。 高齢化の影響もあり、今後も高い水準が予想される。改めて制度の再設計が必要な時期にきているのかもしれない。
また「景気対策」(58.7%)も3番目に回答が多かった。企業業績は比較的好調で、日経平均株価も2025年に入って最高値を更新。一方で個人消費は物価上昇などの影響からマインドが冷え込んでいるともいわれる。賃金と物価の好循環に至る過渡期的なものなのか、今後も予断を許さない状況が続きそうだ。
この傾向は継続しているのだろうか。過去5年間の推移を振り返ってみよう。

