百貨店の不振が打撃、今期は一転し営業減益へ下方修正
目線を足元に移しましょう。今期(26年2月期)の見通しを解説します。
今期は苦戦しているようです。当初は増収営業増益を計画したものの、25年8月に下方修正し、一転して減収営業減益に見直しました。主販路かつ正価販売の百貨店が不振で、当初より下振れると判断しました。
続いて公表された中間決算でも厳しい状況が確認されます。売上高は前年同期比3.1%減、営業損益は2.1億円の赤字となりました。上期までの月次売上は前年同月比で百貨店と直営店がそれぞれ92%と94%、EC・通販およびアウトレットは112%でした。粗利率は正価品でほぼ計画どおり改善したものの、売り上げ不振のカバーでセール販売を強化したことで正価品販売の比率が低下。全体では採算が悪化しました。
下期は新規出店を加速します。百貨店は7売場へ、直営店は5売場へ出店する計画です。三陽商会はコートやスーツといった重衣料が主力で、業績は9月~翌2月の下期に集中する傾向があります。需要期に向け店舗を拡大し、巻き返しを図ります。
【三陽商会の業績予想(26年3月期)】
・売上高:599億円(-1.0%)
・営業利益:23億円(-15.3%)
・純利益:41億円(+2.3%)
※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想
出所:三陽商会 決算短信
