住宅ローン選びで最重視、やはり「金利の低さ」

住宅金融支援機構の最新調査※によると、フラット35以外の住宅ローン利用者1296人が住宅ローンを選んだ理由として最も多かったのは「金利の低さ」で61.0%。他の理由を引き離す、群を抜く数字だ。住宅ローンは数千万円規模の借入となることも多いため、わずかな金利差でも返済総額には大きな影響を与える。それゆえ多くの人が金利を最重視しているだろうことは想像に難くないが、そのとおりの結果が浮き彫りとなった。

※住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】(住宅金融支援機構、2025年6月27日公表)

住宅ローンを選んだ理由(フラット35以外)

住宅ローンを選んだ理由(フラット35以外)調査結果を表した図表
 
出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」
 

住宅ローンを選んだ理由ランキング(フラット35以外)

1位 金利の低さ 61.0%
2位 団体信用生命保険の保障内容 20.2%
3位 ペアローン・収入合算を利用できた 14.3%
4位 諸費用の低さ 12.7%
5位 金融機関の信用性(経営が安定している)11.0%
6位 日頃から取引がある金融機関(メインバンク)9.7%
7位 35年超の返済期間を選べた 9.4%
8位 金融機関の窓口で直接、申込みなどができた 7.9%
8位 繰上返済のしやすさ 7.9%
10位 webで相談、申込みなどができた 5.3%
※3つまで回答可

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」よりFinasee編集部作成

2番目に多かった理由は「団体信用生命保険(団信)の保障内容」で20.2%。団信とは、住宅ローンの返済中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合に残りの住宅ローン残高が保険金で支払われる保険のことだ。

近年は通常の死亡保障だけでなく、がんをはじめとする三大疾病等にも対応した保障内容を提供するものも増えており、保障の充実度も相まって選択理由の上位に入っているのかもしれない。

続いて「ペアローン・収入合算を利用できた」が14.3%、「諸費用の低さ」が12.7%、「金融機関の信用性(経営が安定している)」が11.0%という結果となった。

共働き世帯の増加に伴い、夫婦で住宅ローンを組むペアローンや、家族の収入を合算して借入可能額を増やす収入合算の活用が一定程度、重視されていることが分かる。

興味深い点は「日頃から取引がある金融機関(メインバンク)」という理由が6位(9.7%)とそれほど高くないことだ。このことからは銀行との普段の取引関係よりも、条件面での優位性を重視する傾向が見て取れる。