パウエル議長の発言と減税法案
今週はパウエル議長が、データ次第としつつ7月の利下げを否定しないという発言をしました。これはECBが主催する会での発言でしたが、この発言を受けて7月利下げ観測が意識された場面がありました。しかし、雇用統計で7月利下げ観測は大きく後退しています。また、トランプ減税を恒久化する減税法案が議会を通過し、4日にトランプ大統領の署名で成立する見込みとなっています。ヨーロッパや日本でも政府の財政拡張という報道が相次いでおり、世界的に長期金利が上がりやすい状況です。米国の株の先物市場は、この議会通過という報道の後、若干下がるような反応となっています。
市況について
米国の主要株価指数であるS&P500やナスダックが史上最高値を更新する非常にリスク選好的な状況になっています。VIX指数が16台まで低下している状況です。米国の株価上昇は総じてドル安の緩和となりますが、ユーロドル相場が1.18台まで上昇しており、こうした状況が続くとドルは続落します。一方でVIX指数の低下はリスク回避の円買いとは逆の動きが出やすい状況ですので、円安要因にもなります。
ドル円相場の動向
今週のドル円相場は、143円をわずかに割れたところから145円を超えたところでレンジとなり、方向感が出にくい展開でした。雇用統計で一旦145円に乗せましたが、雇用者の伸びの半分近くが政府関係者でした。賃金の伸びも予想を下回ったことで、当初の反応ほど強い雇用統計ではなかったという見方が浸透するにつれて145円台を維持できず、関税の話も影響し、144円台前半まで緩んできています。