ファイナンシャル・ウェルビーイング(Financial Well-being、以下FWB)を高めるための「学ぶ」「把握する」「相談する」「行動する」の4つのステップのうち、近年では学生時代から「学ぶ」環境が整いつつあります。

2017年・18年・19年の学習指導要領(文部科学省が定めている教育課程の基準)改訂に伴い、中学校、高等学校の「家庭科」「社会・公民科」を中心に、金融や経済に関する内容が拡充されました。特に高等学校家庭科では、従来からライフプランや家計管理、消費者教育の内容が含まれていましたが、今回の改訂でFWB向上に必要な知識をより幅広く学べる科目になりました。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)も、小学校低学年から大学生まで、各年齢に応じた学習教材を提供しています。資産のミライ研究所(以下、ミライ研)が全国の1万人を対象に実施したアンケート調査で「お金の授業・教育を受けた時期」について聞いたところ、最も多い層が「現在18-20歳の方が高校生の時」でしたが、それでも19.2%にとどまります(図表1)。環境整備が進んだことで、今後、この数値自体は増加していくことが期待されます。

【図表1】お金の授業・教育を受けた時期(複数回答可)

 
(出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所
「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)
 

※年代はアンケート回答時