株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェでコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。

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神様:2025年は参議院議員選挙があります。参議院の任期満了に伴い、7月27日までに行われる予定です。

T:参院の定数248のうち、半数の124議席が改選されますね。今のところ具体的な選挙日程は出ていませんが、与野党で準備が進んでいるようですね。

神様:選挙に注目した銘柄と言えば、何かわかりますか?

T:選挙に注目ですか? すぐには思い浮かびませんが…どんな銘柄でしょうか?

神様:最近の選挙のトピックスと言えば、何でしょう?

T:選挙権年齢の引き下げでしょうか。2016年6月に改正公職選挙法が施行され、選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられました。

神様:選挙権の拡大は、1945年に女性の参政権が実現して以来となる約70年ぶりのことでした。しかし、投票率は大きく改善していないようです。

T:昨年10月に行われた衆議院議員選挙の投票率は53.85%で、戦後3番目に低い結果でした。投票率の低下、政治への国民の無関心が改めて課題となっていますね。

神様:総務省による有権者数と衆議院選挙の投票率の推移を見ると、有権者数は右肩上がりで増加していますが、投票率は時々上昇することがあるものの、全体的には右肩下がりであることが分かります。一般的に投票率が下がるほど、選挙に民意は反映しにくくなります。民主主義の健全な発展のためにも投票率を上げることは克服すべき課題です。

 

T:夏の参院選は、衆院選で過半数を割り少数与党となった自民党・公明党が過半数を維持することができるかが大きな焦点になりますね。有権者一人ひとりの積極的な投票が求められる大事な選挙です。投票率にも注目したいですね。

神様:2016年6月の改正公職選挙法では、選挙権年齢の引き下げの他にも新たに2つ行われたことがありました。期日前投票での投票時間の拡大と共通投票所の創設です。期日前投票は、従来は投票時間が8時半から20時までであったところ、最長で前後に2時間ずつ延長ができるようになりました。また、共通投票所は投票日当日に市町村内の有権者なら誰でも投票可能な投票所として創設され、期日前投票と同様に従来の投票所へ行きにくい人などに利用されています。

T:より投票しやすい環境を整えているわけですね。

神様:期日前投票により、働く世代が投票しやすくなりました。2022年の衆院選では、投票率換算で20%程度の人が期日前投票を利用しました。しかし、衆院選(小選挙区)の年齢別投票率を見ると、若者世代の投票率がまだまだ低いことが分かります。今後も時間帯や設置場所の工夫を行っていくことが大切です。

 

T:しかし、報道で期日前投票は投票に関わる管理者や立会人の負担が大きくなっていると聞いたことがあります。その辺りはどうでしょうか?

神様:おっしゃる通りです。これまでの選挙の実施により、期日前投票所の拡大については事務作業などの負担が大きいことも分かっています。自治体によっては拡大幅を縮小する動きも見られます。むやみに場所・時間を拡大すれば良いというわけではないようです。一方で、共通投票所の設置・拡大は、良い成果が出た事例があるようです。2016年7月の参院選では、函館市などで共通投票所が市内2カ所に設置され、1000人以上が利用したことが分かっています。総務省に詳しい事例がありますので、確認してみると良いでしょう。

T:民主主義の健全な発展のためにも、選挙においては投票率の改善が重要であり、そのために、選挙投開票当日の共通投票所や期日前投票の増加などの投票しやすい環境整備が重要ということですね。事務作業等の負担が少ない投票所運営を行うには、オンラインシステム、選挙システムなどの活用も必要ですね。そういったシステム構築や投票関連の機材にはニーズがあるかもしれません。

神様:投票の啓蒙という意味では、芸能人やウェブを使った活動が多様化しています。出口調査や有権者の支持政党や投票意向などをマーケティングの視点から調査する手段も、テレビ視聴、ウェブ閲覧などのデータから様々な分析が行われています。国政選挙は日本全国が一体となって盛り上がるイベントでもあります。関連企業にどのような恩恵があるかを考えてみると面白いでしょう。