現在50代、60代の方は、忙しい日々のなか、また「貯金が一番」という親世代からの刷り込みによって、資産形成について考える機会がなかった人も多いのではないでしょうか。

しかし、近年の物価上昇、将来の年金給付の目減りといった環境の変化に伴い、投資の必要性は高まっています。今からでも間に合うのかという不安もあるでしょうが、生命保険会社を経て、独立した工藤将太郎氏は「ポイントを押さえれば、50代・60代からでも、投資でしっかり老後資金」をつくれると話します。

そこで工藤氏に初心者におすすめの投資信託を詳しく紹介してもらいます。(全4回の2回目)

●第1回:日本を代表する2つのインデックス「日経平均」と「TOPIX」、日本株式市場全体に投資したいときはどっちを選ぶべき?

※本稿は、工藤将太郎著『老後のお金の不安をなくす50代・60代からの新NISA』(秀和システム)の一部を抜粋・再編集したものです。

全世界株式のインデックスファンド

低コストで、世界の株式に投資できるインデックスファンドは、初心者にも適しています。数ある商品の中でも、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)という指数に連動する投資信託がおすすめです。ただし、株価変動や為替変動の影響を大きく受けますので、初心者が一括でたくさん購入するには注意が必要です。

MSCI ACWIとは何か?

この指数は米国のMSCI社が開発した株価指数で、先進国23カ国と新興国24カ国の株式市場に上場する2,760銘柄(2024年6月28日時点)で構成されています。現時点では、国別の割合は米国が60%超を占め、銘柄別ではマイクロソフトやアップルなど、米国の大企業の割合が多くなっています。時価総額が大規模な銘柄の影響を大きく受け、また、組み入れ割合は、時価総額の変動によって変わります。