3期連続で最高益を更新、自動車が好調 今期も上方修正で2ケタ増益を予想

次に業績を確認しましょう。

日本特殊陶業は利益が拡大傾向にあります。純利益は2024年3月期に800億円を超え、過去最高を3期連続で更新しました。売り上げより利益の増勢が強いことから、利益率も向上していることがわかります。

 
出所:日本特殊陶業 有価証券報告書より著者作成
 

増益は自動車関連セグメントがけん引しています。セグメント単体の営業利益は1200億円に達し、他のセグメントの不振を補っています。増益が進んだ要因として、円安が進んだこと、価格転嫁が進んだことなどがあります。

 
 
出所:日本特殊陶業 決算短信より著者作成
 

増益傾向は今期(2025年3月期)も続いています。公表のある中間決算までで、純利益は前年同四半期比9.1%増加しました。

けん引したのは、引き続き自動車関連セグメントです。セグメント営業利益は同23.2%増加しました。補修用製品の販売が好調だったほか、価格転嫁の実施と円安基調が利益を押し上げました。

自動車関連セグメントの好調を受け、通期の業績予想も上方修正されています。予想純利益は前期比14.9%増の950億円とし、期首予想比で120億円の引き上げとなりました。今期も業績は好調なようです。なお、想定為替レートも対米ドルで140円から145円へ見直しています。

【日本特殊陶業の業績予想(2025年3月期)】

・売上高:6530億円(+6.3%)
・営業利益:1300億円(+20.8%)
・純利益:950億円(+14.9%)

※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想

出所:日本特殊陶業 決算短信