森村グループの一角 自動車向けのプラグとセンサーでシェア首位級

日本特殊陶業は自動車部品とセラミック製品の大手です。セラミック産業を代表する森村グループに属し、1936年に点火栓(プラグ)部門を分離する形で設立されました。2023年からの新グループ名「Niterra(ニテラ)」は、ラテン語の「niteo(輝く)」と「terra(地球)」の組み合わせに由来します。

本社は愛知県名古屋市、工場を名古屋市のほか小牧市などにも構えます。コンサート開催等で知られるフォレストホール、ビレッジホールを有するNiterra日本特殊陶業市民会館は名古屋市民会館の命名権(ネーミングライツ)取得により、2012年から同名称となっています。

主力製品は自動車向けのプラグおよび排気センサーです。世界シェアはいずれもトップクラスです。2023年7月には、デンソーからの同事業の譲り受けに向け、検討を開始することに基本合意しました。実現すればシェアはさらに拡大するとみられます。

日本特殊陶業の事業セグメントは「自動車関連」と「セラミック」、「新規事業」と「その他」の4つです。中核の自動車関連は、売り上げが全体の大半を占めています。このことから、日本特殊陶業は自動車業界の影響を強く受けると考えられます。

【セグメント情報(2024年3月期)】

出所:日本特殊陶業 有価証券報告書
 

また為替の影響も比較的大きいと考えられます。売り上げの8割を海外から得ているためです。日本特殊陶業は、対米ドルで日本円が1%増減した場合、純損益に1億2500万円の影響があると分析します(2024年3月期)。

【地域別の売上収益(2024年3月期)】

・日本:1140億円
・米国:1562億円
・ドイツ:1147億円
・中国:725億円
・その他:1571億円

出所:日本特殊陶業 有価証券報告書

なお、日本特殊陶業は事業ポートフォリオの転換を進めています。内燃機関事業に偏重する状況から、非内燃機関事業を拡大する計画です。事業ポートフォリオの転換については後述します。