楽天証券の投信売れ筋ランキングの2024年10月のトップ2は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だった。今年に入ってから、この2銘柄がトップ2を独占し、2月までは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がトップだったものの、3月以降は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がトップを独走している。第3位には前月10位だった「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」がジャンプアップした。また、第9位にトップ10圏外から「iFreeNEXT FANG+インデックス」がランクインし、この2銘柄の上昇によって他の銘柄はランクを落とす結果になった。
◆「高配当株式」が人気化する背景
売れ筋の第3位に上昇した「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は、「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」に連動するETF「シュワブ米国配当株式ETF(ティッカー:SCHD)」に投資するファンドで、2024年9月18日に新規設定された。「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」は、10年以上連続して配当を出している時価総額が5億ドル以上の配当利回りが高い100銘柄で構成されているインデックス。100銘柄の選定にあたっては、時価総額だけでなくROE(自己資本利益率)や過去5年間の配当成長率などのファンダメンタルズが優良な銘柄を選定している。「SCHD」に投資することによって、高い配当金の受け取りと株価の値上がり益の両方が期待できる。
「SCHD」の組み入れ上位銘柄は、ファンドの月報によると2024年9月末時点で、上位10銘柄は「ホームデポ」「ヴェライゾン・コミュニケーションズ」「ブラックロック」「シスコ・システムズ」「シェブロン」「ブリストル・マイヤーズスクイブ」「ファイザー」「ロッキードマーチン」「テキサスインスツルメンツ」「アッヴィ」となっている。金融やエネルギー、ヘルスケア、資本財・サービスなどに広く分散され、これまで米国株式市場をけん引してきたITやコミュニケーション・サービスの大手企業とは異なる企業群になっている。ハイテク大手の「マグニフィセント・セブン」が上位に並ぶ「S&P500」を保有している投資家が、業種分散を図る投資先としても魅力的だ。
同ファンドは、「SCHD」が米国では人気のあるETFであり、日本からは直接購入ができないETFだったものをファンドにすることによって円建てで手軽に購入できるようになったことなどが高く評価され、設定直後から人気化。販売開始からわずか26日間で純資産増額が300憶円を突破し、11月5日には500億円も超えた。