2024年9月のメガバンクの売れ筋トップは、前月同様に三菱UFJ銀行と三井住友銀行で日経平均株価に連動するインデックスファンドになった。三菱UFJ銀行では「三菱UFJインデックス225オープン」、三井住友銀行では「SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)」がそれぞれに第2位に浮上するなど、日米株式のインデックスファンドへの評価がやや戻った状況だ。みずほ銀行は金(ゴールド)などコモディティも含めて幅広く分散投資する「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」がすでに半年にわたり連続してトップを占めているが、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」がランクアップして第2位に浮上した。同ファンドは7月に第8位にランクインして以来、徐々にランキングの位置を繰り上げて、ついにトップをうかがう位置にまで上昇した。
三井住友銀行で第3位に浮上した「ブラックロック・フレキシブル・インカム・ファンド/BINC(為替ヘッジなし/資産成長型)」(2024年8月設定)、三菱UFJ銀行の「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」(2023年3月設定)、みずほ銀行の「フィデリティ・ロイヤル・コア・ファンド」(2023年9月設定)など、設定から数カ月~2年という比較的若いファンドがランクをあげていることも目立つ動きになっている。新しいファンドが売れ筋に定着するか注目される。
メガバンク3行の売れ筋ランキングは、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が「総合」ランキング、みずほ銀行は「みずほインターネット投信除く、積立契約も除く」としている。
◆出遅れた国内株式に対する根強い人気
9月の売れ筋ランキングでは、三菱UFJ銀行で前月に続いてトップに「eMAXIS 日経225インデックス」、第2位に「三菱UFJインデックス225オープン」が浮上し、第4位に前月と変わらず「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が居座るなど、トップ5のうち3本を日経225連動のインデックスファンドが占めた。また、三井住友銀行もトップは前月と同様に「三井住友・225オープン」となるなど、国内株式インデックスファンドが根強い人気になっている。
日本の株価は、9月の月初に日経平均株価は3万8700円で始まり、9月11日には3万6000円を割り込むまで下落したものの、そこから戻って9月月末は約3万8000円になった。9月の月末には米NYダウやS&P500、また、ドイツのDAX指数などは史上最高値を更新する水準に株価が上昇したことと比較すると、日本の株価の動きは弱いといえるが、その弱さが逆に「出遅れ」として先高期待につながっているようだ。日本株式については、米国の著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社が円建て債券を発行することを決定したことが伝えられ、日本株式投資に追加する資金を調達する見通しとされている。典型的なバリュー(割安株)投資家として知られるバフェット氏が日本株式に執着しているように見えることも日本株式が下落するほど先高観が出てくる安心感の一つになっているのだろう。