売上高の75%は海外 「プルーム」拡大で需要の減少をカバー
JTはご存じのとおり、たばこの製造および販売を手掛ける企業です。世界130以上の国と地域で販売するグローバル企業で、売上全体の約75%は海外が占めています。たばこの販売数量は中国の専売企業を除けば世界3位の水準です。
【自社たばこ製品の地域別売上収益(2023年12月期)】
・アジア:8048億円
・西ヨーロッパ:5388億円
・EMA:9715億円
※アジアは台湾、日本、フィリピンなど、西ヨーロッパはイタリア、イギリス、スペインなど、EMAはトルコ、ルーマニア、ロシアなど
出所:JT 有価証券報告書
主要ブランドは「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」です。4ブランドでJTの総販売数量の約7割を占めます。ただし、これら燃焼式たばこの需要は、新興市場では増加する国が見られるものの、世界全体ではやや減少トレンドにあるとJTでは分析しています。
この対策として注力するのが加熱式たばこです。たばこ葉を燃焼させず、加熱によって生じる蒸気を吸引します。JTは上記4ブランドに加え、加熱式たばこを最重要カテゴリに位置付けています。
JTは加熱式たばこブランドとして「プルーム」を展開しています。国内では2013年に投入しました。足元では11%台半ばのシェアを握っています。海外では2023年下期に加熱器具「プルームX」の本格的な拡販を実施しました。イタリアやチェコ、スイスなどで徐々にシェアを獲得しています。
なお、JTは医薬事業や加工食品事業も展開しています。ただし業績の大部分はたばこ事業が占めています。医薬事業と加工食品事業は、たばこ事業の補完的な位置付けといえそうです。
【JTのセグメント業績(2023年12月期)】