日経平均株価4万円台は割高なのか
日経平均株価が1989年12月につけた最高値、3万8915円を終値ベースで抜いたのは、2024年2月22日のこと。さらに上昇して、同年3月22日には4万0888円の過去最高値を更新しました。
さすがに「4万円」の声を聞くと、マーケット関係者の間にも達成感が広がるようで、4月19日にかけて3万6733円まで調整し、足元では3万9400円前後を高値、3万7600円前後を安値とするボックス相場が続いています(2024年6月25日時点)。最高値更新に沸いた3月から、はや3カ月……株価上昇は期待できないのでしょうか。
今年1月からNISAが一新され、株式や投資信託などの投資商品に対する関心が、高まってきています。個別株投資とまでは言わずとも、投資信託で資産運用を始めた人もいらっしゃると思います。とりわけ、日本株で資産運用を始めた人たちにとって、この調整局面は胃が痛くなる思いをされてきたかもしれません。
では今後、日経平均株価はさらなる上値を取りに行くのでしょうか。
まず、割高か割安かという観点から見て見ましょう。
6月14日時点における東証プライム市場の平均PERは16.09倍で、平均PBRは1.38倍です。現在の東証プライム市場と比較するためのデータとして、かつての東証一部市場を参照すると、株価的にバブルピークだった1989年12月時点の東証一部市場の平均PERは約61倍で、平均PBRは約5.6倍でした。
株価水準は確かに1989年12月のバブルピークを越えて、かつ一時的に4万円の大台乗せも実現しましたが、株価は利益に対しても、また純資産に対しても、「割高」と評するには低いことが分かります。