LIXILは女性の人材発掘に尽力
2位のLIXILは、建材や住宅設備機器を提供するLIXILグループの中核事業会社です。同社では有望な人材を探し出すために、各事業部門のリーダーと執行役が人材発掘を行っています。2022年にはD&I※の観点を組み込んで、女性人材にも注目。その結果、後継者候補のうち女性が27%を占めています(2023年3月末時点)。
※「ダイバーシティ&インクルージョン」の略。多様な人材を活かして、個々の能力が十分に発揮できるようにする取り組み
研修制度も充実しています。たとえば選抜型の次世代人材育成プログラム「NEXT」において、有望な女性従業員の育成に取り組むほか、女性新任管理職を対象とした研修も実施。女性管理職の上司を対象に、女性リーダーの成長を支援する行動を学ぶ研修も行っています。
育児への支援も手厚く、2023年からは時短勤務が「小学校6年生になるまで」に延長されています。
アインホールディングスは労働時間や勤務地が選びやすい
3位のアインホールディングスは、調剤薬局「アイン薬局」やコスメ&ドラッグストア「AINZ & TULPE(アインズ&トルペ)」などを運営する会社。女性従業員が多く、全体の約80%を占めています。
同社では1週間あたりの労働時間を、「32時間・40時間・その他」の3区分から選択可能。育児や介護などの事情に合わせて、柔軟に働ける環境を整えています。
社員区分に関しても、全国で活躍する「ナショナル社員」、選択したエリア限定の「狭域・広域エリア社員」(薬剤師のみ)、「自宅通勤社員」の3種類を用意。ライフプランやキャリアを計画できる環境を提供しています。
キャリア開発にもつながるとして、2021年からは副業や兼業も許可。柔軟な働き方ができる環境整備を進めることで、幅広いキャリア形成へのニーズに応えています。
NHKは育児休暇が2歳まで、相談もしやすい
NHK(日本放送協会)の女性役員は、全員が社内でキャリアを積んだ生え抜き(2024年6月時点)です。
育児休暇は満2歳まで取得可能。小学校3年生の年度末まで、1日あたり最大1時間30分の時短勤務が可能です。ベビーシッターを利用した場合、一部費用の援助もあります。
また仕事と育児の両立を支援する相談窓口があり、全国の放送局に育児サポート担当者が在籍。実際に両立している先輩職員から、実践的なアドバイスをもらうセミナーも開催されています。
8位に国立大学2校がランクイン!
国立大学の2法人がランキングに登場。岡山大学と九州大学が同率8位です。国立大学法人における役員とは、学長と理事、監事を指します。理事は法人ごとに数を設定、監事は2人置く決まりです※。
※文部科学省「国立大学法人法の骨子」
学長・理事・副学長の女性比率について国は、「2025年までに20%以上」という目標を掲げています※。各大学もその方針を受け、積極的な女性登用に着手。次表のとおり、着実に女性参画が進んでいます。
たとえば岡山大学では女性を対象に、講義やセミナー、実践を組み合わせた「リーダー育成プログラム」を実施しています。同プログラムは5段階。たとえばフェーズ3では、国際共同研究や国際会議への派遣を通じて、研究力やマネジメント力向上を図ります。そしてフェーズ5においては、組織運営やリスクマネジメントといった管理運営力を養うことに重点が置かれています。
九州大学では、「SENTAN-Q(ダイバーシティ・スーパーグローバル教員育成研修)」を行っています。同研修は将来有望な女性を対象に、世界トップレベルの研究や教育に挑戦する機会を提供するもの。“世界と伍して戦えるダイバーシティ・スーパーグローバル教員”を掲げ、取り組みを行っています。