金利上昇でも投資チャンス? 個人投資家が注目の「業種」はこれ!
図表② 最も注目している業種は次のうちどれですか?
ところで個人投資家は金利上昇局面でどんな業種に投資チャンスがあると思っているのでしょうか。調査によれば、個人投資家に「注目業種」を選択してもらったところ、「金融」の回答が36.7%に達しました。AIブームを背景に昨年からの株価上昇をけん引してきた「情報」の15.6%を差し置いて、金融は断トツの1位です。
たしかに金利が復活すれば、銀行は貸出金利を上げることができるので、収益が大きく改善しそうです。常に投資チャンスを狙う個人投資家にとっては金利上昇もまた注目材料の1つなのかもしれませんね。
一方のマイナス派は「いろいろ考えてマイナス要素しか思いつきません!」
次に金利上昇が「日本経済にマイナス」という個人投資家の声も聞いてみましょう。
「デフレマインドはまだまだ強く個人消費も冷え込んできている今、利上げはまだ早い」「弱体化した日本経済にはマイナス要因でしかありません」
物価高騰で家計が苦しく、消費を控える人が増えるなかで、金利上昇がさらに追い打ちをかけるという懸念の声がありました。実際、今年1~3月期のGDP成長率はマイナスに転落。物価高騰や株価上昇で忘れがちですが、かつての日本は「氷河期」といわれるほどデフレや不況が大きな問題でした。モノやサービスが売れなくなって、気がついたら昔に逆戻りなんてリスクもありそうです。
さらに調査では「分からない・どちらでもない」という回答も18%ありました。一部を紹介すると、「経済が回復基調になれば金利を上げられるということ」「経済全体でプラスかマイナスかは金利の上昇幅による」などの声です。
あくまで金利上昇は経済回復の結果に過ぎない、あるいは金利上昇の影響は経済にプラスとマイナスの両面があるので現時点では判断がつかないということでしょう。
このように金利上昇といっても、いろいろな見方があることがわかりました。金利上昇を過度に不安がらず、冷静に受け止めていくことが大事なのかもしれませんね。
調査対象:日経CNBC視聴者
有効回答数:128人(30代~70代の現役の投資家)
調査期間:2024年5月30日~2024年6月3日
調査主体:株式会社 日経CNBC