東横インの支配人は地域採用の「女将」 

1位の東横インは国内外に展開するビジネスホテルチェーンです。事業に参入した1986年、 業界経験のない女性に1号店の運営を任せて成功。支配人を「女将」と位置づけ、主婦の気配りを経営に活かそうと積極的に女性を採用してきました。

東横インでは支配人を現地採用に限ることで、地域に密着して生活する女性の特性を生かしています。同社の代名詞でもある無料サービスの朝ごはんも、支配人が中心となって各ホテルで企画。“お母さんのおもてなしの味”として提供しています。 

ライクキッズは女性取締役への道も

2位のライクキッズは、保育・人材・介護事業を行うライクグループ傘下の会社で直営の「にじいろ保育園」をはじめ、学童クラブや児童館など公的な保育施設の運営を行っています。 

同グループでは女性が活躍しやすい職場環境を提供するとともに、積極的な管理職・役員への登用を行っています。その結果グループ内において、女性取締役も28.6%(2023年5月期末)という高い比率を実現しています。 

カルディは小3まで時短勤務が可能 

3位のキャメル珈琲は、コーヒーをはじめとした輸入食品を扱う「カルディコーヒーファーム」を運営する会社です。同社で活用されているのが、独自の子育て支援制度「MaMaDI(ママディ)」。これは「MaMa」と「KALDI」を組み合わせたものです。

小学校3年生までの時短勤務制度や子どもの急な発熱等に合わせて取得可能な半休等の制度などによって、女性の活躍を応援。全国のママ社員同士で情報交換できる社内SNSサイトも開設し、子育てと仕事を両立しながら管理職へキャリアアップしたい女性を支えています。 

ほかにも定期健診の子宮がん検診・乳がん検診費用が全額会社負担だったり、ケガや病気により就労ができなくなった際には会社負担で加入している保険が利用できたりと、働きやすさをサポートする制度が充実しています。

ニチイ学館は全国に保育所を設置

5位のニチイ学館は医療や介護、保育サービスなどの企業です。1968年の創業時、忙しい医師に代わって月末月初の保険請求業務の受託を受託する形で女性雇用を促進。以来、現場で活躍する女性がキャリアアップする文化が根付き、高い女性管理職率に結びついています。

同社では、従業員が利用できる保育所を全国に設置。食事は、調乳から離乳食、幼児食まで全て対応しており、弁当を用意する必要はありません。月16日以上利用する場合は、月5000円の手当が支給されます。 

ユニクロでは経営陣との意見交換も

カジュアル衣料品を展開するユニクロでは、女性店長と経営陣・外部有識者が直接対話し、意見交換する「Women'sダイレクトミーティング」を開催。女性管理職候補者を対象とした育成プログラム「キャリアサポートプログラム」も行われています。

なおグループ企業のジーユーでも、子育て中の女性従業員が集まり、情報や意見の交換を行う「Waikiki(わくわくいきいき)プロジェクト」が行われています。   

埼玉りそな銀行では女性チームが新商品開発を担当

埼玉りそな銀行では、女性の声を経営に反映させる「さくらそうプロジェクト」を立ち上げています。毎年女性社員がチームを組み、女性視点で新しいサービスを創造。メンバーのアイデアを生かして新たに子ども食堂を支援する信託商品が登場しました。

こうした取り組みが評価され、「女性が輝く先進企業表彰」において最高評価の内閣総理大臣表彰を受賞しています(2018年)。