日経平均株価を対象にしたインデックスファンドが人気
三井住友銀行の「三井住友・225オープン」や三菱UFJ銀行の「eMAXIS 日経225インデックス」、三井住友信託銀の「My SMT日経225インデックス(ノーロード)」など、2024年1月も、大手銀行では日経平均株価を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。
1月の日経平均株価は前月末比2822円54銭(8.43%)高の3万6286円71銭で、2カ月ぶりの大きな上昇であった。米国のハイテク株高や為替の円安・ドル高の影響で半導体関連株や輸出株が値上がりしたことや、新NISAのスタートにより高配当株に資金が流入したことが上昇の主な要因と考えられる。
世界の主要指数の中で日経平均の上昇が目立った一方、中国景気の先行き懸念が続き、香港のハンセン指数と上海総合指数が下落した。こうした中、中国株から日本株への資金シフトが続いているとの見方もある。
また、新NISAでは配当に着目した投資が人気である。配当をしっかり出せる企業は安定した収益基盤を持っていると評価されているからだ。日経平均高配当株50指数と日経累進高配当株指数は、それぞれ過去最高値を更新している。
日経平均株価は平成バブル時の3万8915円87銭も視野に入っており、2月も大手銀行では日経平均株価を対象にしたインデックスファンドの人気が継続する可能性は高いだろう。
S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドも人気
1月は半導体関連株を中心とした大型ハイテク株が牽引し、S&P500 種株価指数は史上最高値を更新した。外国株式ファンドへの高水準の資金流入が続き、大手銀行でもS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。
三菱UFJ銀行でランキング1位の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」には、1月に約2090億円の資金流入があり、純資産残高は約3兆4312億円となっている。
さらに、2月9日にはS&P500種株価指数が終値で初めて5000ポイントを上回った。巨大テック企業などAI関連銘柄の2023年10~12月期の決算が好調で、前回の節目である4000ポイントから、3年弱で5000ポイントの大台を超えている。
ただ、マイクロソフトやアップルなど「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる一部の主力銘柄ばかりが上昇しており、物色は広がっていない。単純平均で算出するダウ工業株30種平均(NYダウ)と異なり、S&P500種株価指数は約500銘柄を時価総額で加重平均して算出するので、一部の大型株の株価に指数がされやすい傾向がある点には注意が必要である。
■eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
基準価額 2万4281円
信託報酬 0.09372%(年率・税込)
純資産残高 2兆9987.73億円
<騰落率>
1カ月 1.5%
3カ月 5.8%
6カ月 7.1%
1年 34.6%
※12月末時点