「損失を出さないように積立をすれば良い」は真実か
ところで、筆者は先のA氏の件があってから、「NISAなら税金がかかりません」という表現で片づけてしまうことにも疑問を持つようになった。
筆者の経験上、NISAの利用経験しかない人は、総じて税制の知識が乏しい。証券会社のかつての主要顧客層なら当然のように知っている損益通算や、総合課税選択時の特別控除を知らない人も多い。特定口座で申告不要も選択できる今の時代、税制の十分な知識がなくても資産形成は完結できる。
一方で、値動きの大きい投資信託を一般NISA口座や特定口座で購入してしまい、含み損が出て身動きが取れなくなっている人もたくさん見てきた。「それならやっぱり、なるべく損失を出さないように積立をすれば良いじゃないか」という声が聞こえてきそうだが、どんな投資信託でも積み立てれば報われるかというとそれも違う。
ではここで、積立効果の理解度を確認するための簡単なクイズを1問お出ししよう。
【問題】
以下の4つの価格推移のパターンの商品を毎月同じ額積み立てた場合、最終的なリターンが高いのはどれか。上から順に並べ替えよ。