メンズコスメ市場の動向

アンケート調査を見ると、確かに化粧をする男性は増えていそうです。では、男性向け化粧品市場は拡大しているのでしょうか。

「経済産業省生産動態統計(2021年)」によると、実は「男性皮膚用化粧品」の販売額は2017年から毎年減少しており、4年間で24.99%も少なくなりました。皮膚用化粧品全体も減少しているとはいえ、男性皮膚用化粧品の下落率の方が大きくなっています。

【皮膚用化粧品の販売額】

※「洗顔クリーム・フォーム」「クレンジングクリーム」「マッサージ・コールドクリーム」「モイスチャークリーム」「乳液」「化粧水」「美容液」「パック」「男性皮膚用化粧品」の合計

出所:経済産業省 経済産業省生産動態統計(2021年)

【皮膚用化粧品の販売額の推移(2017年を100とした場合)】

経済産業省「経済産業省生産動態統計(2021年)」より著者作成

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ただし、男性が女性向けの化粧品を使用するケースもあるため、これだけでは男性の化粧ニーズが低下しているとはいえません。上述の「男性メイクに関する意識調査(2019年4月)」でも、メイク経験のある男性は、男性向けよりも女性向けのメイク用品を選好していることが示されました。

また、やはり男性向け化粧品市場は拡大しているとする調査もあります。富士経済は、「メンズコスメティックス」の市場規模が2022年に前年比2.1%増加すると予想しました。

【国内化粧品の市場規模】

出所:富士経済 化粧品マーケティング要覧 2022 総括編

いずれにせよ、化粧品全体に占める男性向け化粧品市場の規模はまだ小さいようです。今後の伸び代と考えるなら、今のうちに関連する企業に投資するのもよいかもしれません。