資産寿命を可能な限り延ばす、資産の取り崩し方

まず、今の介護サービスを受け続けるなら年金だけでは足りず、資産の取り崩しは避けられないことを確認しました。分配金で介護費用をすべて賄うのが理想だとしても、毎月20万円を確実に受け取れる投資信託はありません。

だとすれば、投資信託の商品を入れ替えることよりも、資産を取り崩しながら、できるだけ資産が尽きない方法を考えるほうが現実的です。人は何歳まで生きるか分からず、拓郎さんと頼子さんがともに亡くなるまで資産を枯渇させずに、保たせなければなりません。

そこで、提案したのが「資産の取り崩し方」です。分配金の受け取りも資産の取り崩しの一種ですが、より計画的な取り崩しの方法があります。それは、投資信託の定額や定率での定期売却です。

このうち「保有残高の○%ずつ」という毎月一定比率で売却する定期売却は、基準価額が下がったときに換金できる額も減ります。そのため、運用成績が良くないときに資産を大きく減らさずにすみ、資産の延命が可能です。また、定期売却(定率指定)をするなら、運用成績が良好かつ分配金の頻度の少ない投資信託を選ぶ必要があります。また、投資信託の定期売却(定率指定)のサービスは、どの証券会社でも取り扱っているわけではありません。取り扱うのは主に大手ネット証券です。

ただ、頼子さんのような高齢者がネット証券を利用するのはハードルが高い場合も多いでしょう。そこでおすすめなのが、大手ネット証券に所属するIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用です。IFAは資産運用だけでなくライフプランにも精通した金融の専門家で、中立的な立場で運用の提案を行います。自分だけでは活用しきれないネット証券の商品やサービスを、オーダーメイド感覚でコーディネートしてくれるのです。

頼子さんには、地元の信頼できるIFA(藤田さん・仮名)を紹介しました。「提案に納得できなければ、断ってくださいね」と念を押して……。