公的医療制度の再確認

病気になると医療費がかかりますが、日本の医療保険制度は非常に優秀で、負担額に上限が設定されています。現役時代は会社の健康保険制度に入っていることが多いでしょう。一般的に、医療費の上限を定める高額療養費制度は、月約9万円と理解されていることも多いですが、給与が53万円を超えると約18万円、さらに給与が83万円を超えると約27万円にまで負担が上がってきます。

組合健保の場合、法定給付とは別に付加給付があるところも多く、収入に関わらず医療費負担は月2万円で良いなどといった恵まれたところもあります。今後定年を迎えると、加入すべき医療保険制度も変わりますから事前調査は必須です。

75歳になると後期高齢者医療制度に変わります。医療費負担は原則1割、さらにこれまでと同様高額療養費制度もあります。外来での医療費にも上限が設定されるため、これまで以上に医療費負担は軽減されます。

40歳から加入する介護保険は、65歳までを2号被保険者、それ以降を1号被保険者と呼びます。2号被保険者の特徴は、初老期認知症、脳血管疾患、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、末期がんなどといった特定の病気が原因で要介護状態となった時のみ介護保険が利用できます。一方、1号被保険者は理由を問わず介護保険が利用可能です。

介護保険を利用する時は、認定を受けることから始めます。例えばご両親の状態に不安がある場合は、ご両親のお住まい地の地域包括支援センターに相談に行き、調査を受け要支援または要介護の認定を受けます。

要支援には2段階、要介護には5段階の等級がありそれぞれに1ヶ月に使える限度額が設定されています。ケアマネージャーと呼ばれる専門の方がその限度額の範囲内で必要なケアプログラムを組み、実際にかかった費用の1割を本人が負担するのが大まかな介護保険の流れです。また介護を受けながら医療のケアを受けた場合にも合算した医療費に上限が設定されています。