これからの暮らしに備え、支出の見直し
老後の暮らしに備えて、支出を見直すことはとても大切です。何しろこれからは、「稼いで収入を得る」ことが難しくなるからです。
公的年金は受給額がほぼ固定です。“ほぼ”というのは、現役世代の賃金や物価が変動したりすると、年金額はそれに伴い変動します。これにより年金制度そのものを維持しているからです。とはいえ、コロナ禍でも分かるように店じまいをする飲食店が相次いでも、高齢者の年金が著しく減額されたり支給が止まったりすることはありません。やはり年金生活者の暮らしは守られているのだと理解できます。
いずれにしろ、入ってくるお金は一生涯ほぼ一定ですから、多少なりとも余裕のある暮らしがしたいとなれば支出を減らすのが現実的です。そしてその場合、固定費から見直すのが王道です。行かなくなってしまったジムの会員費、なんとなく続いているスマホのサブスク、年払いやクレジット払いなどの検討余地がある毎月の支払い、夫婦2人の暮らしには不釣り合いな大型車などは真っ先に、断捨離していきたい項目です。
ただし生命保険の断捨離は慎重に行いましょう。なぜならば、生命保険の本来の目的を理解せずさっさと断捨離してしまい、後から悔やむ方も少なくないからです。
ご存じの通り、生命保険は被保険者が亡くなった際に保険金がおりるものです。目的としては、1)子どもの将来を守るため、2)配偶者の暮らしを維持するため、3)相続対策としての3つがあります。