将来的に国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者になると言われている。その「高齢化」の影響を実生活で初めて受けるのが、介護や看取り、相続といった“親のこと”という人は多い。そして、そうした“親のこと”は、突然起きがちで、往々にしてお金の問題がついてまわり、子である本人の資産形成に大きな影響を及ぼすことも。

突然のことに狼狽しないよう大切なのは、親に「万が一」が起きてしまう前に、親とお金の話をすることだと言われている。「しかし、親と“親のお金”のことを話すって何を? どうやって?」と困惑する人も多いだろう。

そこで、この連載では親が元気なうちに話しておきたい「親のお金のこと」について、連続インタビューを実施。相続や介護など、突然訪れた変化にどう対処し、乗り越えたのか経験者に聞いていく。

家業の不動産賃貸業を継いだ後、1億円の相続税が発生してしまったという加藤氏に、前編では当時の経験について語ってもらった。加藤氏にとって2度目の相続となる祖母のときは、同じ過ちを繰り返さないよう早くから準備を進めたのだという。幅広いケースに共通する相続税対策の基本について教えてもらった。

●前編はこちら
 

隼綜合法律事務所日進事務所
弁護士(愛知県弁護士会所属)
加藤幸英氏

 

名古屋市内で20年以上不動産賃貸業に従事し、その経験から不動産・建築問題を得意とする。そのほか相続、インターネット問題、企業顧問などにも精通。日本交渉学会常務理事も務め、「弁護士かとう」名義でYouTubeチャンネルも開設しており、交渉学の普及に努める。