4社共通の傾向:S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気
ネット証券4社では、2月もS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。ネット証券4社でのランキングは、以下の通り。
SBI証券
1位 「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
2位 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
楽天証券
1位 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
マネックス証券
3位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
auカブコム証券
1位 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
5位 「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は低コストのインデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズの旗艦ファンドで、2月10日には一時純資産残高が1兆円を突破した。同ファンドはネット証券を中心に残高を伸ばしており、大手ネット証券の保有者は2021年末時点で156万人を超えている。「つみたてNISA」といった非課税制度を利用して積立投資を始める人が若年層を中心に増えており、低コストのインデックスファンドは残高を拡大しているからだ。米国株式市場は金利上昇やウクライナ情勢の緊迫化によって不安定な状況が続いているが、積立投資で「毎月1万円」など定額で購入している投資家は、株価が下落したときにより多くの口数を購入できる。一時的な株価の値動きに一喜一憂するのではなく、淡々と積立投資を続けていくようにしたい。
全体を見て:日本株を対象にしたブル型ファンドが人気
「SBI 日本株4.3ブル」や「楽天 日本株4.3倍ブル」といったブル型ファンドの人気も高かった。2月の日本株式市場は上値の重い展開となった。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測による長期金利上昇や、ウクライナ情勢の緊迫化が続いたからだ。日経平均株価は24日に25,775.64円まで下落し、昨年来安値を更新した。ブル型ファンドは株価が急落する場面で買いが増える傾向にあるので、ネット証券でもランキング上位に入ったのだろう。しかし、ブル型ファンドは短期で急騰すれば大きな利益になるが、株価が下落したりもみ合いになったりすると損失が膨らむ可能性が高くなる。あくまでも短期的な利ざやを狙う商品なので、長期投資には適していないという点に注意が必要だ。