2021年12月、マネックス証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の概要

2021年12月のマネックス証券売れ筋ランキング1位は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。同ファンドは、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、11月末時点における騰落率は以下の通り。

1カ月 1.5%
3カ月 6.7%
6カ月  15.4%
1年      41.8%

S&P500種株価指数は2021年に27パーセント上昇し、過去最高値を70回更新した。業種別では、金融やIT(情報技術)、不動産の上昇が目立ち相場をけん引した。こうした好調なパフォーマンスを背景に、同ファンドには高水準の資金流入が続き、2021年は5,154億円の資金流入があった。これは、国内公募投信で2番目の大きさである。米国を中心とした先進国の株式には高水準の資金流入が続いているので、2022年1月も同ファンドがマネックス証券のランキング上位に入る可能性は高いだろう。

全体を見て:ブル型ファンドが人気

2位に「楽天日本株4.3倍ブル」、3位に「SBI 日本株4.3ブル」がランクインしている。いずれも、国内の株価指数を対象とした先物取引を積極的に活用することで、日々の基準価格の値動きが国内の株式市場の値動きに対し、おおむね4.3倍程度になることを目指して運用を行うブル型ファンドである。2位の「楽天日本株4.3倍ブル」の 11月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 -20.1%
3カ月 -14.1%
6カ月 -26.6%
1年      -1.3%

日経平均株価は、9月14日に30,795.78円の年初来高値をつけたが、その後は上値の重い展開になっている。ブル型ファンドは、基本的に右肩上がりの相場環境でないと、損失になる可能性が高い。さらに、株式市場の下落が続くと大きな損失がでる恐れがある。ブル型ファンドは投資タイミングを選ぶファンドであり、継続的に利益を出すのは困難だ。信託報酬などの運用コストがインデックスファンドよりも高く、大きな損失がでる可能性もあるので、長期保有には適していない。あくまでも短期の値幅取りのファンドとして考えるべきだ。