インカムゲイン(配当収入)を効率よく得られる国内50銘柄で構成する「iFree ETF ブルームバーグ日本株 高配当50指数」が4月17日、東証に上場しました。このETFは、米ブルームバーグが算出する「日本株 高配当50指数」に基づき、大和アセットマネジメントが運用を担います。
折しも「トランプ関税」の衝撃で株式市場の先行きに不安が広がるなか、「日本株×高配当×ETF」という組み合わせを通じて、着実かつ安定的なリターンの提供を目指します。
大和アセットの山野井徹商品本部長は上場会見で、「マーケットには『業績は(主観的な)意見にすぎないが、配当は事実だ』という格言がある。現状の不透明な市場環境では、配当というファクターに注目する重要性や有効性が高まっている」と語りました。
「日本株×高配当×ETF」というタイプの商品は既に複数存在します。このたび上場した「iFree ETF ブルームバーグ日本株 高配当50指数」は、先行のETFとは異なる2つの特徴を備えています。
① 増配の予兆を逃さない
企業側が増配を発表すると、その直後に株価が急騰することがあります。この場合、発表を受けて買いに入れば「高値づかみ」になりかねません。
したがって、増配の可能性が高い銘柄には、できるだけ早い段階から予測を立てて投資することで、配当に加えて値上がり益を狙えます。
このETFが基準とする「ブルームバーグ日本株 高配当50指数」では、構成銘柄の選定にあたり、各証券会社に属するアナリストによる予想平均配当を活用します。投資対象は、アナリストカバレッジが3社以上ある大型株・中型株に限定。そのうえで、「予想の配当額÷現在の株価」で算出される「予想配当利回り」の上位50銘柄を指数に組み入れ、ETFの構成銘柄とします。
この仕組みにより、まだ増配が発表されていない段階でも、ETFを通じて先回りして投資することが可能になります。
② 下落相場の「買い場」を逃さない
たとえ業績が好調で増配が期待できる銘柄であっても、地政学リスクや為替変動といった要因によって一時的に株価が下がることがあります。こうした局面は、割安となった高配当銘柄を仕込むチャンスでもあります。
今回上場したETFでは、構成銘柄の入れ替え(リバランス)を年4回行い、各銘柄の構成比率が2%程度で均等になるよう調整します。他の高配当ETFの多くが年1回のリバランスであり、一部銘柄には7%程度の高いウェイトをかけているのに比べ、より機動性の高い運用といえます。
たとえば、ある組み入れ銘柄の株価が上昇して比率が3%まで高まれば、保有株の3分の1を売却して比率を2%に引き下げます。逆に、ある組み入れ銘柄の株価が下がって比率が1%になった場合は、その銘柄の保有株数を2倍に増やし、再び2%の水準となるよう調整します。こうした設計により、値上がり益の確定と値下がり時の買い増しの両方を自動的に行う仕組みとなっています。
また、業績悪化により減配が見込まれる銘柄や、財務健全性・流動性が一定の基準を下回った銘柄は、定期的な見直しのなかで除外されます。
このETFは東証に上場しているため、取引時間中であればリアルタイムで売買が可能です。1口、2062円(4月18日終値時点)から買うことができ、NISA成長投資枠を活用すれば分配金や値上がり益にかかる税金がゼロとなるメリットもあります。
このように、「iFree ETF ブルームバーグ日本株 高配当50指数」は、将来の増配に着目しつつ、相場変動を捉えた柔軟な運用を行うことで、高い配当利回りと成長性、安定性の両立を目指す設計となっています。少額から気軽に始められる点でも魅力があり、日本株の中長期的な成長とインカム収入の双方を狙いたい投資家にとって、新たな選択肢のひとつとなるかもしれません。