finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

FD原則を業界別に細分化へ 金融審総会で重鎮・神田秀樹氏が「原則の重層化」を提唱

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2024.09.17
会員限定
FD原則を業界別に細分化へ 金融審総会で重鎮・神田秀樹氏が「原則の重層化」を提唱

金融庁で8月下旬に開かれた金融審議会の総会で、「顧客本位の業務運営に関する原則」(FD原則)の改定案を含む市場制度ワーキンググループ報告書が正式に了承されました。改定案の柱は組成会社に対して商品管理態勢の強化を求める「補充原則」の追加です。しかし、出席した専門委員からは、販売会社側における役割の大きさを指摘する声も上がりました。また、保険や資金決済分野についてそれぞれ新たなワーキンググループを設置し、制度改正へ検討を始めることも総会で決まりました。

製-販の力関係も話題に

従来のFD原則に追加されることになる「補充原則」は、金融商品の組成会社に対し、商品を購入すると想定される顧客属性の特定や商品性の事後的な検証などについて態勢整備と対応強化を促す内容となっています。

さらに補充原則とは別に、既存の「原則6」に注釈を追加し、販売会社側に対しても、実際に購入した顧客の情報について組成会社と情報連携するよう促しています。改定案は近く、正式確定する見込みです。

ある有識者委員は「組成会社に求められる対応の方が(見かけの)数としては多いものの、実際にはやはり原則6の注が非常に重要なんだろうと思う」と発言。「これまで販売会社と組成会社の関係をみると、販売会社が若干優位な状況にあり、その中で顧客本位の観点から金融商品の組成が行われなかった実態があったのだろう。組成会社がプロダクトガバナンスに関する態勢を整備するためには、販売会社に依存しなければいけない部分もある」と述べました。

別の委員は金融庁が担う役割の大きさを指摘。「プリンシプルをもとに顧客を見て(態勢や対応を)変えていくということだろうが、実際には金融庁にお伺いを立てながら進めていくところも多い。それが悪いということではないが、それだけに(当局の)判断が非常に大きな影響を与えることになるので、引き続きモニタリングや方向性をお示しになるということをお願いしたい」と要求しました。

FD原則の「ブレークダウン」は実現するか

FD原則改定の議論は、基本的に投資信託の分野での対応を念頭に置いて進められてきましたが、市場制度ワーキンググループの会合では、他の金融商品についても対象を広げるべきだとの声がありました。

この日の総会で、別の委員は「例えば保険会社もFD原則が適用されるが、保険商品は資産運用のための商品とは異なる面もある」と指摘。顧客本位の業務は重要であることは当然として、原則の適用についてはプリンシプルベースを基本としながらも、業界ごとにそれぞれに適合した原則を定めていくことも検討に値する」と述べました。

また、金融審会長の神田秀樹東大名誉教授は、「昨年改正の金融サービス提供法によれば、金商法の中にあった誠実公正義務を、金融サービス提供事業者を含め年金関係者にも拡大した」とし、「2017年にFD原則を作ったときは、その時点における金融事業者に向けて横断的に作ったが、今回はプロダクトガバナンスの観点から補充原則を作った。そういう意味で、原則の重層化というのはおそらく今後、必要になってくる」と主張しました。

 

金融審総会では他にも、鈴木俊一金融担当相からの諮問を受け、保険市場の信頼確保、資金決済制度の在り方見直しに向け、それぞれ新たなワーキンググループを設置することが決まりました。

保険関連のワーキンググループ(仮称「損害保険業等に関する制度等WG」)は、大規模乗合代理店に対する規制強化、保険仲立人の活用促進などに向けた制度整備の検討を進めます。座長は市場制度ワーキンググループ委員も務めた森下哲朗上智大教授が務めます。資金決済制度に関するワーキンググループは、ステーブルコインなどweb3分野の環境整備に向けた制度整備の検討を行います。座長は金融審総会座長の神田氏が務めます。

製-販の力関係も話題に

従来のFD原則に追加されることになる「補充原則」は、金融商品の組成会社に対し、商品を購入すると想定される顧客属性の特定や商品性の事後的な検証などについて態勢整備と対応強化を促す内容となっています。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融庁

おすすめの記事

常陽銀行の売れ筋で「日経225ノーロード」がトップに再浮上、「リスクオン」でバランスファンドより株式ファンドに軸足

finasee Pro 編集部

仕組商品のリスクは「複雑かつ複合的」なのか?

岡本 修

SBI証券で「半導体」に強気、日米の半導体インデックスファンドが売れ筋ランクアップ

finasee Pro 編集部

福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退

finasee Pro 編集部

マン・グループの洞察シリーズ⑱
AIとソフトウェアセクターが揺るがすプライベート・クレジット市場 : 真の投資機会を見極めるために

著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
常陽銀行の売れ筋で「日経225ノーロード」がトップに再浮上、「リスクオン」でバランスファンドより株式ファンドに軸足
仕組商品のリスクは「複雑かつ複合的」なのか?
中国銀行で一極集中型の「パワーテクノロジー株式」「世界半導体関連フォーカス」が人気化
SBI証券で「半導体」に強気、日米の半導体インデックスファンドが売れ筋ランクアップ
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
金利ある世界で、金融機関は何を支えるのか――資産運用立国の提言と国会質疑から見える「全体設計」への転換
野村證券の人気ファンドは「半導体」「IoT」「宇宙開発」など社会変革を担うテクノロジーに集中
マン・グループの洞察シリーズ⑱
AIとソフトウェアセクターが揺るがすプライベート・クレジット市場 : 真の投資機会を見極めるために
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「支店長! 接客について、先輩方のように自信が持てません。どうしたら自信が持てるようになりますか」
「体制」から「態勢」へ、改正保険業法に見る金融庁の着眼点の変化
福岡銀行で「半導体」人気が爆発、「日本株」や「純金」の人気は後退
米国経済 Deep Insight 第17回
AIブームを支えるデータセンター建設、その拡大は続くのか
SBI証券で「半導体」に強気、日米の半導体インデックスファンドが売れ筋ランクアップ
中国銀行で一極集中型の「パワーテクノロジー株式」「世界半導体関連フォーカス」が人気化
みずほ銀行で「IGO」が主力に、トップ10の入れ替え4本で次の展開待ち
マン・グループの洞察シリーズ⑱
AIとソフトウェアセクターが揺るがすプライベート・クレジット市場 : 真の投資機会を見極めるために
ナスダック連動ETF「インベスコQQQ」が上場、巨大運用会社が国内市場で狙う「次の一手」とは?
NISAの次に問われる本丸--企業型DC・iDeCo、個人向け国債、そして資産形成助言の再設計
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第19回:デジタル化の否応なしの進展が中核市の人口流出を加速させる?
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」に続くファンドは? 「スペースX」への関心で購入停止ファンドも=資金流入額上位20ファンド
顧客利益の最善を追求し、人生の質を高めることが IFA業界の発展と社会貢献につながる
インデックス投資から始めた顧客を「思考する投資家」へ導くために ――対面営業を主体とする投信販売会社・本部投信担当者に求められる視点――
信託ならではの専門性をオンラインで実現 独自のハイブリッド型チャネル戦略を推進 case of 三井住友信託銀行
SBI証券の売れ筋で「WCM」がランクイン、「FANG+」を押しのけて高い順位に進んだ理由は?
ファンドアナリスト篠田 尚子が2026年第1四半期を振り返る~投資信託の今と、これから
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【バランスファンド編】
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら