しずおかフィナンシャルグループは2023年度、経常利益が地方銀行グループで最大となりました。傘下行は静岡銀行のみながら、複数の銀行を持つ競合をも上回っています。なお、静岡銀行は単体でも地銀首位となっています。
【地方銀行グループの経常利益 上位3社(連結、2023年度)】
・しずおかFG(静岡銀行):1022億円
・コンコルディアFG(横浜銀行、東日本銀行など3行):770億円
・めぶきFG(足利銀行、常陽銀行):630億円
【地方銀行の経常利益 上位3行(単体、2023年度)】
・静岡銀行:870億円
・千葉銀行:860億円
・福岡銀行:646億円
しずおかFGの利益が大きくなった理由を探りましょう。また現在推進している、設立後で初の中期経営計画も紹介します。
東海・関東に広く展開 グループにはマネックスとコモンズ投信も
しずおかFGは静岡銀行を中核に持つ金融グループです。静岡銀行が持ち株会社制に移行し、2022年10月に発足しました。
静岡銀行は主に東海地方と関東地方に展開しています。静岡県以外では神奈川県に19店舗、東京都と愛知県に3店舗、大阪府に1店舗を持ちます(2024年7月26日)。静岡県以外の比重は大きく、国内貸出金における静岡県のシェアは2024年3月末で52%程度です(出所:しずおかFG 決算ハイライト)。
子会社にはリースや証券、クレジットカード会社などを持ちます。また持分法適用会社には静銀セゾンカード(議決権所有割合50.0%(2024年3月))のほか、マネックスグループ(同20.7%)とコモンズ投信(同22.4%)があります(出所:しずおかFG 有価証券報告書)。
営業基盤は大きく、貸出金は10兆円以上、総資産は16兆円を上回ります。総資産は、ほくほくフィナンシャルグループに次いで地銀グループ5位です。
【地銀グループの総資産 上位5社(連結、2023年度)】
・ふくおかFG(福岡銀行など5行):32兆6497億円
・コンコルディアFG(横浜銀行など3行):24兆3817億円
・めぶきFG(足利銀行、常陽銀行):21兆7861億円
・ほくほくFG(北陸銀行、北海道銀行):16兆3828億円
・しずおかFG(静岡銀行):16兆1415億円