finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

新NISA開始後の投信資金流入状況は? 意外に買われていた“とがった”投信とは

Finasee編集部
Finasee編集部
2024.02.22
会員限定
新NISA開始後の投信資金流入状況は? 意外に買われていた“とがった”投信とは

「神改正」と称賛され、熱い期待が寄せられる中で新NISAがスタートした2024年1月。1カ月間でどのような投資信託が買われ、また新NISAは投信の資金流出入にどう影響したのでしょうか。長年にわたり投資信託をウオッチしてきた、ニッセイ基礎研究所の前山裕亮氏に話を聞きました。
 

――2024年1月の公募投信の推計資金流出入状況をどのように見ていますか。

まず、「思っていた以上に売れた」というのが、率直な印象です。

図1をご覧ください。予想通り、外国株式のインデックスファンドが非常に売れました。私の集計だと9600億円ほど資金流入していて、これまで最も勢いがあった昨年秋(月間約4000億円)の2倍以上の伸びです。

また売れ筋上位銘柄(図2)をみると、制度改正の前後で目立った変化は見受けられません。昨年インデックスファンド間でコスト競争が起きたものの、結局のところ「eMAXIS Slim」が圧勝しています。そのなかでも特に“オルカン”こと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJアセットマネジメント)が3500億円ほど買い付けられており、2位は同じシリーズの米国株式(S&P500)という結果になりました。

また、投資対象別にみると、図3のように地域分散が効いているグローバル株のタイプが実数も伸びも一番でした。グローバル株の投信については確定拠出年金(DC)からも相当の資金が流れ込んでいる点に注意は必要ですが、昨年12月からの伸びという意味でもグローバル株が突出しているので、やはりこの領域における新NISAの影響が特に大きいと見ています。

ただ、実は2月に入ってからの動きを見ていると、全体として勢いが落ちていることは否定できません。つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠の240万円分も年初に一括投資してみようという人たちの資金が、1月の統計に含まれていることも考えられます。冒頭で「思っていた以上に売れた」とお伝えしましたが、これが一過性のものなのか、そうでないかはこれからもウオッチする必要があるでしょう。

図1 主要タイプ別の投信の資金流入

 

 Morningstar Directを用いて前山氏作成。SMA専用投信は除外。


図2 2024年1月に資金流入が大きかった上位20本

 

※ Morningstar Directを用いて前山氏作成。赤字はインデックス型の外国株式投信。


図3 投資対象別のインデックス型外国株式投信の資金流入

 

※ Morningstar Directを用いて前山氏作成。SMA専用投信は除外。
 

――元々、つみたてNISAで売れていた投信以外はどうでしょうか。

グローバル株や米国株といった「ド定番」だけでなく、ややとがったタイプのインデックスファンドにも一定の勢いが見られました。タイプ別に集計すると、米ハイテク株やインド株を投資対象とするインデックスファンドも、前月比で資金流入の顕著な伸びが確認できます。具体的な銘柄でいうと、資金流入6位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」(ニッセイアセットマネジメント)、14位の「iFreeNEXT インド株インデックス」(大和アセットマネジメント)が挙げられます。

これらも、成長投資枠の中でまとまった金額で購入された結果、ランキングが押し上げられた可能性もあります。

「神改正」と称賛され、熱い期待が寄せられる中で新NISAがスタートした2024年1月。1カ月間でどのような投資信託が買われ、また新NISAは投信の資金流出入にどう影響したのでしょうか。長年にわたり投資信託をウオッチしてきた、ニッセイ基礎研究所の前山裕亮氏に話を聞きました。
 

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
次のページ 日本株投信が意外にも健闘していた!?
1 2 3

関連キーワード

  • #NISA

おすすめの記事

日本初のハンセンテック指数連動ETFが東証上場―注目浴びる“中国テック株”が投資の選択肢に

Finasee編集部

10億円以上の資産家が多いのは山口県、北陸ではNISA活用が進む。県民性から読み解く日本人の投資性向とは?

Finasee編集部

「オルカン」「S&P500」を追う2強海外アクティブ投信。なぜ? みんなが買う理由がわかった!

Finasee編集部

みずほ銀行の売れ筋で復調する「米国株ファンド」、「グロイン」もパフォーマンスが伴ってランクイン

finasee Pro 編集部

【連載】こたえてください森脇さん
⑤NISA枠の使い切り、「成長投資枠で一括投資」「つみたて投資枠」どちらがいい?

森脇 ゆき

投信残高は史上最大の119兆円! 「S&P500」に代わって「世界のベスト」と「宇宙関連」が浮上、中国ヘルスケアも!?

finasee Pro 編集部

FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ

川辺 和将

三井住友銀行の売れ筋で光るアクティブファンド、インデックスの不安定さを克服するファンドとは?

finasee Pro 編集部

著者情報

Finasee編集部
ふぃなしーへんしゅうぶ
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
みずほ銀行の売れ筋で復調する「米国株ファンド」、「グロイン」もパフォーマンスが伴ってランクイン
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
足利銀行の売れ筋トップはバランス型、米国株式ファンドのランクアップが目立つ
【連載】こたえてください森脇さん
⑤NISA枠の使い切り、「成長投資枠で一括投資」「つみたて投資枠」どちらがいい?
【文月つむぎ】"フィーベース信仰"に一石? IFA団体が世に問う「顧客本位の新常識」とは
投信残高は史上最大の119兆円! 「S&P500」に代わって「世界のベスト」と「宇宙関連」が浮上、中国ヘルスケアも!?
DCは本当に「儲からないビジネス」なのか? 業界活性化の糸口はカネではなく「情報」に?
新生モーニングスター始動 投信のレーティングとアワードに「将来性」の評価軸を導入へ 日本子会社のチャン社長に聞く
三井住友銀行の売れ筋で光るアクティブファンド、インデックスの不安定さを克服するファンドとは?
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
DCは本当に「儲からないビジネス」なのか? 業界活性化の糸口はカネではなく「情報」に?
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
【文月つむぎ】"フィーベース信仰"に一石? IFA団体が世に問う「顧客本位の新常識」とは
【連載】こたえてください森脇さん
⑤NISA枠の使い切り、「成長投資枠で一括投資」「つみたて投資枠」どちらがいい?
投信残高は史上最大の119兆円! 「S&P500」に代わって「世界のベスト」と「宇宙関連」が浮上、中国ヘルスケアも!?
みずほ銀行の売れ筋で復調する「米国株ファンド」、「グロイン」もパフォーマンスが伴ってランクイン
三井住友銀行の売れ筋で光るアクティブファンド、インデックスの不安定さを克服するファンドとは?
【みさき透】金融庁、FDレポートで外株の回転売買に警鐘 「2、3の事例はアウト」か
「宇宙関連」と「世界半導体株」が抜け出した! 野村證券の売れ筋で目立つ米ハイテク株人気の復権
【文月つむぎ】"フィーベース信仰"に一石? IFA団体が世に問う「顧客本位の新常識」とは
第12回運用資産に関わる常識を疑え!(その1)
銀行預金ではインフレに負けるから投資すべき?
【連載】こたえてください森脇さん
④ネット証券ではなく、自金融機関で投信購入するメリットを説明できない。
【みさき透】金融庁、FDレポートで外株の回転売買に警鐘 「2、3の事例はアウト」か
「支店長! 業績を上げるためにFP資格は必要ですか」
「顧客意向」を盾に取る釈明に「喝」!?新FDレポートの見逃せない5つのポイント
FPパートナーへの業務改善命令は"FDレポートの保険版"?金融庁が処分にこめた3つのメッセージ
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」
第15回 住宅ローン金利の上昇はどのセクターにどんな効果を及ぼすか
広島銀行の売れ筋トップ10から「S&P500」が消える。人気を高めているファンドの特徴とは?
【新連載】こたえてください森脇さん
①販売した商品が値下がり。お客様の反応が怖くてアフターフォローできない。
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら