――まずは、コロナ禍から足元までのJ-REIT市場がどう推移してきたのかを振り返っていただけますか。
2020年はコロナ禍による収益悪化リスクが懸念されて大きく下落した後、2021年は収益改善への期待から一度市場は戻りを見せました。しかし2022年に入ると国内でも金利上昇リスクが意識されはじめ、J-REITは金融商品の観点では魅力が低下していきました。そして2022年後半から2023年前半にかけては、国内の金利上昇リスクとオフィス市況の低迷に、海外クレジット市場の悪化リスクが重なって、J-REITは三重苦とも呼べる苦しい局面が続きました(図1)。