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日証協会長がNISA再拡充で「立国議連の後押し」に謝意、こどもNISAを口座増の“起爆剤”に

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2026.01.29
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日証協会長がNISA再拡充で「立国議連の後押し」に謝意、こどもNISAを口座増の“起爆剤”に

日本証券業協会の日比野隆司会長は1月21日の定例記者会見で、政府の税制改正大綱に盛り込まれたNISA制度の拡充に言及し、岸田文雄元首相が率いる議員連盟の後押しに謝意を述べました。協会幹部は、将来的なさらなる制度の見直しへの議論においても議連の意向が大きいと指摘。地方におけるJ-FLECとの連携への意欲や、衆院選後の財政規律に関する“注文”を含め、会見の注目ポイントを紹介します。

地方でのJ-FLEC連携に意欲

24年1月の制度拡充以降、NISAの買付額は順調な伸びを見せている一方、口座数については政府目標達成への勢い不足も指摘されているところです。そんな中、政府の2026年度税制改正大綱では、18歳未満でも27年以降にNISAつみたて枠を利用できる「こどもNISA」の新設など制度の再拡充策が盛り込まれました。

日比野会長は「岸田元首相が会長を務める資産運用立国議連の強力な後押しで業界要望がほぼ全部通り、大変ありがたい。年齢制限の撤廃を一つの起爆剤として(口座数を)増やしていく」とした上で、金融経済教育推進機構(J-FLEC)との連携に言及。「特に地方については日証協も連携する必要がある。金融リテラシーの普及を、NISAの普及と並行して進めていくことがこれから求められていく」と述べました。

 

また、超富裕層への強化策に関しては「税制改正全体を含めた税負担の公平性、そして『貯蓄から投資へ』の流れを止めないとの観点から、総合的な判断として決定された。妥当な判断だったのではと受け止めている。ミニマムタックス見直しの影響を今後、注視していく」と話しました。

 

今後の方針は「議連の意向が大きい」

与党の大綱公表後に日証協が公表した会長談話では、「今回は措置されなかったものの、上場株式等の相続税評価方法等の見直し及び損益通算範囲のデリバティブ取引への拡大については、引き続き実現を目指していく課題」と説明。証券業界・資産運用業界としては「貯蓄から投資、その先へ」をスローガンに今後も「関係各方面」と連携して取り組む考えを示していました。

会見では、今回の大綱では見送りとなった「プラチナNISA」構想を含め来年以降の要望の方向性について問われると、日証協幹部が「税の交渉は政治のバックアップを得ながら、金融庁と税制当局の折衝を中心に進められる。今後については当然、資産運用立国議連の意向も非常に大きいし、金融庁ともある程度の平仄を取りつつ、その辺を見極めながら一生懸命やっていくっていうことかと思う」と説明しました。

 

財政規律は市場のサインに注視を

1月下旬時点での経済状況について日比野会長は、「米国トランプ政権の様々な動きがある中、日本は地政学リスクをストレートに受けないマーケット構造になっている。日本の企業は米国起点のサプライチェーンに組み込まれているところがあり、中国の経済的威圧と言われる部分やグリーンランドをめぐる欧州市場の変動の影響を除けば、一つ一つの勃発する事件にそこまで強く反応しなかったということかと思う」と指摘。「日本の株式市場はインフレ経済への移行と、企業の資本市場への向き合い方の変化という、2つのポジティブな構造変化に支えられている。日本株、日本企業の本当の価値をもっと国民、投資家に浸透させていくことは、こういった状況では特に証券会社の重要な使命だ。個人的に、日本の投資家が日本を素通りするのはもったいないと思う」と話しました。

また、衆院選後の財政規律について問われると「マーケットが発する金利、為替、株式のサインは、それが必ずしも常に正しいわけではないが、よく注視し、しっかりと政策決定をしていただけると良い」と述べました。

 

会見ではこの他、政府が推進するスタートアップ企業への投資促進策を受け、非上場PTS規則や株主コミュニティ規則、J-Ships規則の見直しにより、非上場株式の取引を活性化する方針について説明。日証協は2月18日まで、各規則の改正案についてパブリックコメント(意見募集)を実施しています。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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