PER約10倍は割安か データセンター向け材料事業の成長に注目
最後に株価指標を確認しましょう。
住友金属鉱山の株価は高値からの調整が進み、PER(株価収益率)は約10倍、PBR(株価純資産倍率)は約1倍まで低下しています。JX金属や三井金属と比べると割安感がある一方で、投資家から成長性を評価されていない状況ともいえます。
JX金属は半導体用のスパッタリングターゲット、三井金属はAIサーバー向けの銅箔に強みを持ちます。住友金属鉱山もデータセンター向けの電子部品といった材料事業を手掛けますが、利益に占める比率はまだ小さく、市況に左右されやすい資源株としての評価にとどまっている可能性があります。
【主な非鉄製錬・鉱山株の株価指標(26年11月2日終値)】
・住友金属鉱山:PBR1.04倍、PER9.96倍、配当利回り2.58%
・JX金属:同3.73倍、18.78倍、0.68%
・三井金属:同2.78倍、14.30倍、1.40%
・三菱マテリアル:同0.76倍、3.97倍、2.73%
・DOWAホールディングス:同1.03倍、8.19倍、4.28%
※PBRは26年3月期実績、PERおよび配当利回りは27年3月期予想
※住友金属鉱山およびJX金属のPBRは親会社所有者帰属持分ベース
先述のとおり、住友金属鉱山の材料事業は今期(27年3月期)第1四半期にセグメント税引前利益が前年同期比3.7倍となる92億円に成長しました。通期の見通しは、期首時点の40億円から180億円に上方修正されましたが、第1四半期だけで通期見通しの5割を超えています。中間決算でも好調が確認され、材料事業が資源事業および製錬事業に比肩する柱に育つとの期待が高まれば、株価の見直し材料となりそうです。
一方、AIや半導体関連のセクターは足元で軟調な展開が続いています。好決算を発表しても、市場の期待がさらに高ければ株価が下落することもあり、AI関連の評価が株価にプラスに働くとは限りません。
中間決算では、金属市況の影響に加え、材料事業の成長がどこまで持続するかという視点からも注目したいところです。
