春枝が明かした借金100万円

数日後、祐子は春枝に連絡を入れて、実家を訪れることにした。祐子が訪れた理由を察しているのか、玄関で出迎えた春枝の顔はどこか気まずそうだった。

「……お茶用意してるから入って」

「分かった」

そうして居間のテーブルで向かい合い、祐子は口を開いた。

「お母さん、まずは借金のことを全部教えて。いくら借りてるの?」

春枝はしばらく黙っていたが、やがて小さな声で答えた。

「……100万円くらいよ」

「100万って……⁉ そんなに借りてたの?」

祐子は思わず聞き返していた。

どうやら雅彦が残した生命保険金や預貯金はすでに使い切ってしまったとのこと。最初は買い物を楽しむ程度だったが、知り合いと何度も旅行に行くようになり、出費が重なるようになっていったと説明した。お金を使い果たしてしまったのだが、生活水準を下げられず、カードローンで借金を重ねてしまったらしい。

「どうして借金してまで散財してたのよ……?」

「だって好きなものを好きなときに買えるっていう生活が楽しかったのよ。それに私ももう先は長くないんだし」

春枝の言い訳にため息が出た。