老後の生活設計を大きく狂わせる公的年金に対する誤解

今回のように、遺族年金を含め、公的年金制度は非常に複雑な仕組みになっており、誤解していることはよくあります。

和子さんの問題は、聞きかじった情報だけで老後の生活設計を考えてしまっていたことです。そして、それは老後の生活設計を狂わせてしまうことになります。

公的年金の受給額は、現在ではねんきん定期便で知ることができますが、ねんきん定期便を見てもいくら受け取れるかがわからない場合もあります。

老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給額でしたら、日本年金機構のねんきんネットで計算することができますし、不明な場合には最寄りの年金事務所に相談すれば精度の高い見込み額を教えてくれます。

また、老後の生活設計では、65歳以降の年金額と支出のみでなく、保有資産も含めて考える必要があります。

和子さんの場合、預金は300万円程度と、個人年金保険が10年間で600万円です。

リタイアするには少々心細い資産ですので、いずれにしても65歳以降も就労の検討は必要だったかもしれません。

「老後2,000万円問題」という言葉が一時期話題になりましたが、65歳を迎えるまでに老後に必要な資金を全て用意する必要もありません。

しかし、自分が望む生活を送るために毎月いくら支出があり、いつ、どの程度の支出が見込まれるか、それに対して公的年金を含めた収入がいくらあればいいのかを検討し、資産形成プランや就労の計画を立て、自分にとって最適な選択肢を選んでいくことが大事です。

その収入の一つの柱である公的年金ですから、正確な数字を把握しておきたいところです。

思い込みではなく、正確な数字で老後を考える

公的年金は老後の生活を支える大切な収入源です。

しかし、年金制度にはさまざまな仕組みがあり、思い込みによって将来の収入を過大に見積もってしまうことがあります。

今回の和子さんも、65歳から年金が大きく増えると思っていましたが、実際には期待していたほど増えず、リタイアできずに不安を抱えたまま働くことを選択しました。

重要なことはどう家計のバランスを整え、資産が底を突かないように計画を立てるかです。

老後の生活に不安を感じるならば、まずは年金額や資産、支出を整理し、今後の生活を具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。