従来の「オルカン」との違いは?
一方で、購入前に知っておきたい留意点は次の通りだ。
・「オルカン」という愛称が付いているが、一般的に「オルカン」と呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」とは、連動対象となる指数や組入銘柄、業種構成、分配方針が異なる
・高配当株に投資先を絞るため、成長株や情報技術株が市場全体をけん引する局面では、一般的な全世界株指数を下回る可能性がある
・指数には配当の持続性や財務品質を確認する仕組みがあるものの、構成企業の減配や無配転落を完全に避けられるわけではない
・分配金はファンドの信託財産から支払われるため、分配した金額だけ基準価額や純資産総額の下落要因となる。分配金の一部または全部が、実質的な元本の払い戻しに相当する場合もある
・原則として為替ヘッジを行わないため、円高が進むと外貨建資産の円換算価値が下落する可能性がある。また、新興国への投資に伴うカントリー・リスクや流動性リスクもある
・信託報酬や売買委託手数料、指数構成銘柄と実際の組入銘柄の違いなどにより、基準価額と対象指数の動きが完全に一致するとは限らない
続いて商品のパフォーマンスだが、2026年9月30日に設定されたばかりであり、騰落率はまだ算出されていない。設定から日が浅いため、ファンド固有の運用実績を基に、対象指数との連動性や分配実績を評価できる段階にはない点にも留意が必要だ。
ここまでの情報を踏まえ、投資の向き・不向きは以下の要素を参考にすると良いだろう。
<向いている人>
・日本を含む世界各国の高配当株へ、1本のファンドで分散投資したい人
・年4回の分配を通じてキャッシュフローを受け取りたい人
・為替変動や株価下落のリスクを許容し、NISAの成長投資枠などを活用して中長期で保有したい人
<向いていない人>
・高配当株へ絞らず世界の株式市場全体へ幅広く投資したい人
・運用益をファンド内に残して複利効果を重視したい人
・運用実績や分配実績を確認して商品を選びたい人
今回は「eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)配当払出型」を紹介した。投資信託に正解はなく、資産形成への取り組みは人それぞれだ。フィナシー編集部では今後も、投資家の大切な資産を託せる“推し”といえるファンドを紹介していく予定だ。
執筆/フィナシー投資信託取材チーム
※記事内の数字は注記がない場合は2026年10月5日現在。指数の構成銘柄数は2026年9月末、国・業種別構成比率および上位銘柄は2026年8月末現在(出所:三菱UFJアセットマネジメント公式サイト、投資信託説明書、MSCI)
