第一志望合格。節約生活に「後悔はない」
そしてついに入試本番。娘は第一志望の伝統女子校に合格しました。
「家族3人で取った合格だと思いました。お金がないことで娘に我慢させたこともあるし、もっとしてあげられたのでは、と思ったこともあります。でも、後悔はありません。終わってみれば、大手塾代以外の課金はゼロ! 個別指導塾や家庭教師を掛け持ちした友人からは、『コスパ最強だね』と言ってもらえて、すごく達成感がありました」
入学金や制服代などのまとまった支払いはありますが、それはあらかじめ取り分けていた貯金から出しました。そう、時に盲点となりますが、中学受験が終わっても今度は私立中学の学費の支払いが始まります。年間100万円程度、部活や修学旅行、交通費にお小遣いまで考えれば、150万円程度を想定するべきでしょう。一家の自炊と水筒生活は、現在も続いています。
入学後に知った「私立中のお付き合い」
入学後の授業料については、一郎さんも佳子さんも覚悟をしていたつもりでしたが、実際に入ってみると、学校には佳子さんの想像を超える裕福な家庭が少なくありませんでした。医師や経営者の家庭、都心の高級住宅地に暮らす家庭、海外旅行が日常の延長にある家庭。ほどなくしてたくさんできた娘の友人は、お金の使い方の基準が明らかに違いました。
休日になると、友達同士で「来月、またディズニーへ行こう」と話がまとまります。ついこの間行ったばかりなのに、月1回に近いペースで誘われることもある。交通費、チケット代、食事代、お土産代を合わせれば、毎回かなりの出費です。
部活動の打ち上げでは、中学生が一人5000円ほど使うこともありました。佳子さんにとっては、家族の外食費に近い金額です。
そして冒頭の短期留学です。100万円近い費用にもかかわらず、クラスの半数ほどが申し込むと聞き、夫婦は言葉を失いました。
「娘にすべてを我慢させたくはありません。しかし、周囲と同じペースでお金を使うこともできない。私たちはその都度、参加させたいものと、見送るものを話し合うようになりました。ディズニーは毎回ではなく、年に何度までと決める。打ち上げは予算を伝え、足りなければお小遣いから出す。短期留学は見送り、将来、本当に本人が行きたい時期に改めて考える。そんなふうに方針を固めました」