膨らむ投資と借入金 財務負担に注意

アルケロス鉱山は日鉄鉱業の次の成長を担うプロジェクトですが、開発は順風満帆とはいえません。投資額が増加しており、財務への負荷が懸念されます。

日鉄鉱業は26年2月、アルケロス鉱山の開発費用が3.96億ドルから4.86億ドルへ増加すると発表しました。17年に開発を決定した当初は2.2億ドルと見積もっており、投資額は2.2倍に膨らむ見通しです。生産の開始も26年4月から同年7~9月へと後ろ倒しとなっており、当初22年とした稼働開始はさらに遅れる公算となりました。

アルケロス鉱山の開発に伴い、日鉄鉱業は借り入れを増やしています。借入金は26年3月期の第3四半期で463億円に達し、25年3月期(同224億円)から倍増しました。自己資本比率は同期間に6.6ポイント悪化しています。

日鉄鉱業の財務状況(2016年3月期~2026年3月期 第3四半期)
 
出所:日鉄鉱業 決算短信より著者作成
 

アルケロス鉱山の本格的な減価償却および負債返済は28年3月期から開始する計画です。銅は需要拡大が期待される資源ですが、日鉄鉱業への投資は財務負担も踏まえたうえで判断したいところです。