大人になっても防災意識が高かった

それから歳月が流れ、佳之さんは現在、妻・真由美さん(42歳)、2人の息子(9歳と7歳)と暮らしています。会社勤務を続けた後、退職して個人事業主になっています。

「会社員の頃は安定した収入があったけど、個人事業主となるとそういうわけにはいかないな。事業の資金だけでなく、生活費や息子たちの教育費もあるし……」とお金のことを考える日々が続いていました。

そんな中「日本中、地震だけでなく、豪雨による水害、火事、土砂崩れ、大雪といろんな災害が起きているな……」と災害関連のニュースが気になり、会社員時代以上に、不測の事態にも備えないといけないと思うようになります。

佳之さんは、防災関係の情報を収集し、懐中電灯、水、非常食など防災グッズもそろえて備え、「これである程度はどうにかなる」と考えます。2人の息子が防災備蓄用の乾パンを見つけ、中を開けようとすると、「それは地震が来たときのものだから食べたらダメだ」と注意し、さらに「そういえば今度学校で避難訓練あるだろ? 真面目に訓練やれよ」と釘を刺し、子どもたちにも防災教育をします。

年金についても前もって準備していた

佳之さんはもしもの時のお金のことも考え、地震保険、災害時の税制を再確認し、年金の保険料についても気にしています。

佳之さんは会社を辞めてからは国民年金の第1号被保険者で国民年金保険料(2025年度月額:17,510円)を払っています。「将来の年金も気になるからな。老後もそうだし、病気になって働けなくなったら、あるいは最悪の場合自分が死亡したらと思うと、自分あるいは家族が受け取れる年金を増やすためにも保険料は払っておく必要がある……」と思い、きちんと納付してきました。

しかし、「災害で経済的に被害を受けて年金保険料を払えない時はどうすればいいのだろう」「収入がないと保険料が免除されると聞いたけど、地震の被害にあった場合、直近の収入が多くても保険料を払わないとマズいのかな」と気になりはじめました。

佳之さんはそれまで国民年金保険料を毎月納付してきましたが、今後はその前納(一括前払い)をしたいと思っていました。年金事務所で前納の手続を進めることとし、その際併せて災害時の保険料のことも確認することにしました。

●被災した場合に利用できる減免制度とはどのようなものでしょうか? 後編【「実は私、15年前の地震で親族を…」年金保険料の減免制度について回答した年金事務所職員が明かした「被災体験」】では、困った時の年金の支払いについてより詳しく解説します。

※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。