昼休みに同期入社の弘子と一緒に公園でお弁当を食べるのは、美菜が現在働いている医療機器販売会社に就職して10年以上の日課だった。
弘子とベンチでご飯を食べていると、弘子が携帯をこちらに見せてきた。
「ほら、この人覚えてる?」
SNSに投稿された画像のようでヨガのポーズをしている女性がそこには映し出されていた。
触発された美菜の心
「うーん、もしかして吉田さん……?」
「そう。あの人今、ヨガのインストラクターをやってるんだって」
弘子の話を聞いて美菜は驚きを覚えた。
部署違いで会社では話したことはない関係性だった。ただそんな美菜と吉田は同じヨガスクールに通っていたのだ。
「会社を辞めてインストラクターをやってるとか聞いてなかったんだ」
「うん、それはさすがに知らなかった。同じスクールに通っててそのときは少し話してたけど別に仲がいいとかではなかったから」
「なんかSNSを見る限りは楽しそうにやってるみたいよ」
吉田のSNSの投稿内容を見てみると、確かにとても楽しそうに過ごしているように見えた。あまり明るい人だという印象はなかったのだが、写真の中の吉田は見違えるようだった。
吉田について弘子に何か詳しく聞こうと思ったが、弘子が昨日放送されていたドラマの話をしだしたので聞くことはできずそのまま昼食を終えた。会社に帰って仕事をこなしながらも美菜の頭の中には吉田のことがしっかりと残っていた。
