青ざめた顔の同期が明かした真相とは
私に又野のコンプラ違反の経緯を教えてくれたのは島津でした。
上司からコンプラ違反の話を聞いた数日後、突然、島津から呼び出され、2人で飲みに行くことになったのです。会社から離れたターミナル駅の前の居酒屋の個室に呼び出され、早めに行って待っていると、青ざめた顔の島津が入ってきました。
「最近、又野と会ったか?」と問われ、首を振りました。1カ月ほどLINEのやり取りもなかったからです。
島津の話によると、勤務先では海外企業と取引をするに当たり、新しい監査法人を入れることになりました。監査業務の中で、営業部の組織的な経費の不正受給が浮かび上がったのだそうです。
「組織的な不正受給」という言葉には何とも不穏な響きがありますが、島津がこっそり確認したところでは、又野のコンプラ違反は軽微な交通費の不正受給で、自転車で通勤しながら、自宅から会社までの交通機関を利用したとして交通費を受け取っていたことでした。不正受給期間は1年ちょっとだそうで、金額にして10万円ほどです。
たったそれだけで懲戒処分?
素朴な疑念や理不尽さに対する怒りで頭の中が混乱し、しばし言葉を失いました。
●営業部エースだった同期が受けたまさかの懲戒処分……。又野さんはその後、どのような結末を辿ったのでしょうか? 後編【再就職活動は難航、深夜に倉庫で梱包作業…優秀だった同期が10万円の不正受給で失った“大きすぎる代償”】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
