2026年も同じような上昇が続くとは限らない…?
ただ、2026年の動向を考えた時、株価については少し慎重なスタンスで臨む必要があるかも知れません。特に2025年は、AI関連でデータセンター投資を活発に行っているGAFAMや、それを受けてAI関連の半導体を製造しているエヌビディアの株価が大きく上昇し、それがS&P500を押し上げた面はありましたが、2025年も後半に来て、データセンターへの投資が過剰投資なのではないか、との懸念が浮上し、12月に入ってからは、GAFAMの株価がやや調整色を強めています。
現段階ではまだ分かりませんが、データセンター投資が明らかに過剰投資であることが見えてきた時には、米国株や、日本株のなかでもハイテク関連銘柄の株価は、ある程度、調整を余儀なくされるでしょう。S&P500のインデックス投資、あるいは個別でハイテク関連銘柄を保有している場合は、少し慎重にマーケットを見ておいた方が良いと思います。
東証REIT指数については、賃料と長期金利の上昇がどこまで進むかによって、状況が変わってきます。現状、オフィスビルやレジデンスなどの賃料上昇が進んでおり、それはREITにとってプラス要因ですが、長期金利が賃料上昇のペースを超えて上昇すると、REITの分配率と長期金利のスプレッドが縮小し、REITにとってマイナス要因になる恐れがあります。高市政権の積極財政政策が長期金利にどのような影響を及ぼすのか、慎重に見ていく必要があるでしょう。
また、積極財政政策の関連で言えば、米ドル/円に及ぼす影響も無視できません。米ドル/円は、4月22日に1ドル=139.89円まで円高が進んだ後、11月20日には157.89円まで円安が進みました。現在、高市政権の積極財政政策に対する外国為替市場の評価は、「円に対する信認低下から円安」というものだけに、さらに円安が進む可能性は否定できません。
ただし、円安は日本の株式市場にとってはポジティブ要因です。インフレリスクを伴いますが、基本的に輸出企業にとって円安は増収増益要因です。ちなみに2025年度の日本企業の想定為替レートは1ドル=140~147円なので、現在のレートはそれを10円上回っています。円安が進めば、輸出企業を中心にして業績の上方修正が行われる可能性もあります。
金価格については正直、何とも言えませんが、主要な投資銀行などの見通しによると、2026年中に5000ドルの節目を目指すという見方が多いようです。なお、国内の金価格は為替レートが影響し、円安が進むとすれば、国内金価格をさらに押し上げることになります。
