20代単身世帯の「元本割れ」経験は?
全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から「元本割れの経験」について20代単身世帯の回答を見ていこう。
■元本割れの経験(20代単身世帯)
元本割れの経験者は20代の単身世帯ではどの程度いるのか。金融経済教育推進機構による調査では「経験がある」と回答した人は17.7%と2割未満だった。これは全年代の平均32.4%と比較しても大幅に低い水準だ。若年層であり、投資経験が浅いことも影響していると推察される。
一方で「経験がない」と回答した人が82.3%と大多数を占める。資産形成を始めたばかりで元本割れを経験していない人や、安全志向で元本保証型の商品のみを選んでいる人も多いのかもしれない。
元本割れに直面…そのときどう受け止めた?
元本割れに直面したとき、20代はどのように受け止めたのだろうか。まだ資産運用歴の浅い人が多いとみられる20代だが、元本割れしてしまったときにその原因をどこに求めているのかを見てみよう。
■元本割れ経験の受け止め方(20代単身世帯)
20代単身世帯は調査対象の2500世帯のうち547世帯。そのうち元本割れを経験したことがあるのは97世帯と少ないが、どう受け止めたのか。
最も多かった答えは「自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない」で64.9%。2番目を大きく引き離している。ただし、この数字は全年代平均の70.9%と比べると低い。
次いで「自分が元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない」が25.8%と続く。この割合は全年代の平均である18.6%より高く、全年代で最も高かった。元本割れを経験した20代には投資知識の不足を自覚している人が多いことがうかがえる。
一方、「相場の変動によって元本割れするリスクを金融機関が十分に説明しなかったためだ」は4.1%、「著しい誤解を招く広告、勧誘を金融機関から受けたためだ」は5.2%と低いが、合計すると9.3%。約1割が金融機関側に原因があると考えていることは注目に値する。この水準は70代(14.9%)、50代(11.6%)、60代(9.5%)に次ぐ。


